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レスラーズ・ハイ⑪対抗戦前夜

《THPW正規軍vsブラック・パイル維新軍》はいよいよ明日に迫っていた。
救急車で運ばれていった大岩は全身に怪我を負っており、回復の目処はたっていなかった。
「黒杭のやつら、汚いことをしやがる。なんて卑劣なんだ!?」
黒杭組がこちらの戦力を削ぐために大岩を襲撃したことは火を見るより明らかだった。
長谷部から鷲号会長を通じて警察機関も動いたが、そこはさすが極道というべきか、黒杭組が尻尾を出すことはなかった。
大岩は複数の男に犯されていた。
血と精液でベトベトになった身体を、素っ裸のまま汚い毛布のようなものでぐるぐる巻きにされていたのだ。
口の中には、大岩が3人のために用意したあの青いタイツが押し込まれていた。
そのタイツにも一人分とは思えない大量のザーメンが染み付いていた。
緒方の脳裏に、3人でお揃いの青いタイツを履いて嬉しそうにしていた大岩の笑顔が焼きついていた。
「明日の試合だが・・・大岩の代わりをどうするか、だな・・・」
トレーニング・ルームで沈痛な表情で黙りこくっている緒方と朝倉に、長谷部が話しかけた。
「俺たち二人で出るよ!大岩の代わりなんていない!」
朝倉が怒ったように言う。
「どうせあっちも桐谷なんかいないも同然だしな。実質2対2だ。」
緒方も朝倉に賛成する。
長谷部は暫く腕組みをして目を閉じていたが、やがて言った。
「わかった。厳しい闘いになるかもしれないが、頼むぞ!」
「おう!」「やったろうじゃないか!」
緒方、朝倉、長谷部の3人で硬く手を握り合い、小さな円陣ができた。
その時、トレーニング・ルームのドアが開いた。
「そりゃあ無いんじゃないの?俺たちだってTHPWの一員だぜ。」
なんと、THPWのレスラーたちがどやどやと部屋に入ってきた。
「お前たち・・・」
「黒杭対策は今まで緒方たちに任せちゃってたけど、俺たちだってあいつらのことは気に入らねえんだ。」
「俺なんか、今度賭け試合するから八百長しろとか佐田に言われたんだぜ。演技派したって八百長なんかするかよ!腐ってもプロレスラーだっつぅの!」
「権田さんと大岩の敵討ちだ!」
レスラーたちが口々に黒杭への不満をぶちまけた。
黒杭への危機感が、ヒール、ベビー、ジョバーを問わずレスラーたちに連帯感をもたらしていた。
長谷部は目を真っ赤にして、うんうんと頷いていた。
「お前らの気持ちはよく解った!この中の誰が明日の試合に出てくれるんだ?」
しーーーーん・・・・
レスラーたちが急に水を打ったように静まりかえった。
緒方や権田の壮絶な試合を見てきたのだ。無理もないのかもしれない。
「いいんだ。俺と朝倉でやるよ。みんなの想いだけでスゲーありがたいよ。」
緒方が力強く言うと、朝倉も元気な声をだした。
「よし!THPW全員で円陣組むぞ!」
すると、
「ちょっと待ってくださいよ!なんで俺のことを誰も思い出さないかなー?」
声と共に部屋に入ってきたのは不破だった。
「おれだってついこの間まで現役だったんですよ。みんなに助けてもらった恩返しをさせてください。」
「だが、地下プロレスデビューの試合がこれでは・・・・」
長谷部は再び腕組みして考え込んでしまった。
緒方と、朝倉は長谷部の判断をじっと待った。
「よし・・・」
長谷部がようやく目を開いた。
「不破、行ってこい!」
「はい!」
朝倉が改めて皆に声をかける。
「よーし!今度こそ円陣だ!」
屈強な男たちが、緒方、朝倉、不破を中心に円く固まった。
「打倒!ブラック・パイル!絶対に勝つぞー!!!」
「おーーーーーっ!!!!!!」
地下深いトレーニング・ルームに野太い雄叫びがこだました。


宿舎の寝室。
緒方と朝倉は、普段とは違う昂ぶりを感じながら愛し合っていた。
「大悟・・・・イクぞ・・・・」
「ああ・・・大輔・・・中に出してくれ・・・」
「おう・・・イクぜ・・・あ、あああ、おおおおお・・・・」
「大輔・・・・ああああ・・・・・」
二人して何度果てただろう。
鍛え上げられた肉体は疲れを知らず、欲望のままに貪りあった。
真夜中過ぎ、ようやく二人は一息ついていた。
「大輔・・・・」
「ん?なんだ、大悟。」
「大輔・・・大輔に抱かれているとすごく包まれている感じがするんだ。うまく言えないけど、なんか、こう、愛されているなって・・・」
「なんだよ、急に改まって。そんなことわかっているじゃないか。」
「うん、そうなんだけど・・・。」
「どうしたんだ?」
緒方は、朝倉の瞳を覗き込んだ。
「この前の試合で、大輔が暗黒仮面を犯している時、大輔が全く別人に見えた。あれはまさに獣だった。」
朝倉の瞳には、怯えのような影と、何かわからない光が宿っているように緒方には感じられた。
「あの時は・・・暗黒仮面が俺より強いのかもしれないって思ったら、急に怖くなって・・・いや、怖くなったんじゃない・・・・俺の方がコイツより強いはずだということを証明したくなったというか・・・・実際、俺も無我夢中で、よくわからないんだが、気づいたらあいつを犯していた。」
「暗黒仮面は感じていたよ。絶対・・・・。自分より強い雄に征服される悦びを知ってしまったんだ。」
「大悟・・・・」
「すまない・・・俺は大輔に抱かれて初めて男の悦びがわかったんだ。それは本当だよ。俺は大輔を愛している。
だけど・・・」
「だけど・・・?だけど何なんだ?大悟。」
「あの時、暗黒仮面に嫉妬した。俺の知らない大輔をこいつは感じているって・・・」
緒方は朝倉を強く抱き寄せた。
「大悟・・・何を言っているんだ。あれは本当の俺じゃない。俺は獣じゃない。俺は人間として大悟を愛しているんだ。愛したいんだ。」
「大輔・・・・」
二人は明け方近くまで固く抱き合っていた。
対抗戦開始はあと数時間後に迫っていた。

つづく



レスラーズ・ハイ⑫黒大蛇

僕はちょっと怒っていた。
今日は会場に着くなり、黒服の男に強制的に1万円取られてしまった。
メインイベントに賭けろと言うのだ。
ブラック・パイルが幅を効かせて来ているということなのかな?
この前、あいつらは暴力団関係だって誰かが話しているのを聞いたもんな。
僕は当然THPW正規軍に賭けたさ。頑張ってくれよー!
おっ、今夜の緒方は青パンツか。朝倉とお揃いなんだな。
いやー、ラッキー!僕も青のスピード履いてきたもんね。すげー偶然!
もうズボン脱いじゃお。
あれ、あとひとりは・・・あ、あいつ不破じゃん!?
えーっ、いつの間に地下プロレスラーになったんだ?そっか、昔、緒方と一緒の団体にいたもんな。その関係かな?
なんであいつだけ違うパンツ履いてるんだ?迷彩柄のボックス?
センス無ぇー!あれじゃまるでブラック・パイルみたいじゃん・・・・・


リング上で、緒方たちはブラック・パイル軍を待ち受けていた。
大岩の作ってくれた青タイツが闘志をかきたててくれる気がする。
緒方の股間は堂々たる隆起を見せていた。
朝倉のケツも、いつにも増して引き締まっていた。食い込みが肛門に与える刺激が、闘争本能の源となる。
そんな朝倉が並んで立つ不破の下半身を見てため息をつく。
「なんだかな~。そんなパンツしか無かったのかよ?だから俺が貸すって言ったのに。」
「いや・・緒方さんの相方のパンツ履くわけにはいかないから・・・」
「意味解んねぇよ。」
二人の会話を緒方が制した。
「来たぞ。」
バッハのパイプオルガンが鳴り響き、ブラック・パイル軍が入場してきた。
先頭は暗黒仮面。今日は黒い全身タイツではなく、迷彩柄のロングタイツ姿だ。前回は隠されていた大胸筋が、恐ろしい程の存在感で剥き出しになっている。
その後方にはスコーピオン桐谷。こちらも迷彩柄のボクシング・トランクスだ。
見ていて気の毒なほど怯えた様子だ。
「黒杭は迷彩で揃えてきてるぞ。よりによってなんでお前も迷彩なんだよ。だから俺が・・・」
再び朝倉が不破に喰ってかかろうとするのを、緒方がなだめる。
「大悟、まあ許してやれよ。パンツでプロレスするわけじゃないんだから。それより桐谷を見ろ。やはりあいつは戦力外だな。こちらにとってかなり有利だぞ。」
「プロレスは何を履くかが一番重要なんだけどな・・・」
朝倉はまだブツブツ言っている。不破はそっぽを向いている。
暗黒仮面と桐谷がリングに上がる頃、花道の奥の暗闇から一際黒い影が浮き上がった。
メガ・バズーカ黒杭だ。
全身を覆う迷彩服は前回と同じだ。王者権田を失禁させた凶悪な肉体がその下に隠されている。
そして、誰もがハッと息を呑む程の美しい顔。
黒杭はリングに上がると、一瞬緒方と目を合わせた。
緒方はその瞬間、なぜか全身が粟立つのを感じた。
「なんだ・・・?あの目は?」
メガ・バズーカ黒杭の瞳。それは、いわば絶対的な黒。全く光を宿していない完全無欠の闇だった。
決戦のゴングが鳴ろうとしていた。


THPWの広大な地下施設の廊下を、松葉杖をついた大岩がたどたどしく進んでいた。
完全バリアフリーの施設とは言え、今の大岩には歩くことさえ登山をしているかと思うほどの重労働に感じられた。
医師や看護師の制止を振り切って病院を出てきた。
同じ病院に入院している権田は意識を取り戻したものの、いまだ口をきくこともままならない。
一目会おうと、病室に立ち寄った大岩に、権田は目で語りかけてきた。
(権田さんは、何を言いたかたのだろう・・・?)
権田にはずっと新垣が寄り添っていた。
「今日の実況は辞退しました。クビになるかもしれないな・・・。どうせあそこが黒杭に落とされたら俺はお払い箱だけど・・・」
新垣は相当憔悴しているようだった。
「何を言ってるんすか。緒方さんたちが絶対そんなことはさせませんよ。」
「そうか・・・。そうですよね。でも・・・、でもあの連中は危険すぎる・・・・」
権田の手を握る新垣の手が震えていたのが、大岩の脳裏に焼きついていた。
歓声が聞こえてきた。
会場はすぐそこだ。
ようやく入口の扉の前にたどり着いたものの、骨折した腕を肩から吊っている状態では扉を開くことさえ上手くできない。
カラン。松葉杖が床に落ちた。(くそ・・・っ)
大岩は泣きたい気持ちになっていた。
その時、扉が内側から開いた。
扉を開けたのは青い競泳パンツを履いた30歳前後の男だった。
「あっ、大岩・・・、ゴーレム大岩さんじゃないですか。」
観客らしいその男は、大岩の傍らに転がっていた松葉杖を拾い、大岩の肩を支えた。
「なんで今日は不破なのかと思ったら、大岩さん怪我してたんですね。」
「あ、ああ、そうなんです。すみませんが俺をリングサイドまで連れて行っていただけませんか?」
「わかりました。やった。リングサイドに行ける。いやー今日は席がこんな後ろでがっかりしてたんですよ。」
競パン姿の男は大岩を支えて会場中央に歩き出した。
「お、大岩さん、やっぱ重いですね・・・・」
「すみません・・・」
多少は鍛えているようだが、やはり一般人。プロレスラーを支えて歩くのは大変だろう。
だが男は大汗をかきながら大岩をリングサイドまで導いた。
「ありがとうございました。その競パン、似合ってますよ。俺も今日は青パンなんです。」
「は・・?」
大岩はぽかんとする男に頭を下げると、リング上に目を移した。
朝倉が暗黒仮面に鮮やかなドロップキックを放っているところだった。
朝倉の青タイツが躍動している。
(俺も履いてきましたよ・・・・)
集団暴行の夜に、ボロボロにされあちこち破れた青いショートタイツを、大岩はジャージの下に履いていた。
試合には出られなくとも、気持ちだけはTHPW正規軍でいたかった。
大岩は、海綿体に血液が充満していくのを感じていた。


朝倉の蹴りは、暗黒仮面にはあまりダメージを与えていなかった。
逆にロープの反動を利用して突進してくる暗黒仮面を、朝倉はさっとかわすと、カニバサミに足を捉えた。
暗黒仮面が派手な音を立ててうつ伏せに倒れた。
「いいぞ!朝倉!」コーナーから緒方がゲキを飛ばす。
「よし、タッチだ。」
朝倉が不破に手を出す。
すると不破は何故か身体を横にずらしてタッチを拒むような仕草をした。
「なんだ、ビビってんのか!?よし、俺が行く!」
緒方がタッチをすると猛然と暗黒仮面に向かっていった。
前回の試合では巨大な岩山を相手にしているような感覚だったが、一度征服した相手、今日は全く負ける気がしない。
全く逆のことを暗黒仮面も感じているのだろう。緒方に対してどこか腰が引けていた。
瞬く間に緒方の逆エビが決まっていた。
「おらっ、でかケツをまた犯してやろうか?おお?」
「ぐはっ・・・・」
敵陣に警戒の目を向けると、黒杭は凉しい顔で微動だにしない。
桐谷がオロオロしながら黒杭と暗黒仮面を交互に見やっている。
「ぐおっ・・た、助けに来いよ!サソリ野郎・・・・!」
暗黒仮面に怒鳴られて、桐谷が弾かれたようにリングインした。
緒方は逆エビの両足を解くと、桐谷の前に仁王立ちした。
「ひっ・・・」
桐谷は脱兎のごとくリング下に逃げていった。
相手3人のうち、2人までもが緒方に犯され失神しているのだ。
改めて考えてみると完全にTHPW有利な状況だ。
それなのにどうしても払拭できないこの危機感。
それは、コーナーでただただ静観を決め込んでいる美形の男、メガ・バズーカ黒杭が原因だった。
「そろそろ出てきたらどうだ?色男さん。」
黒杭は緒方の挑発にも眉一つ動かさず、相変わらずブラックホールのような瞳で見返すのみだ。
(なんだ・・・こいつ・・・)
ハッと気づくと、背後に立ち上がった暗黒仮面が緒方をフルネルソンに捉えた。
「サソリ野郎!準備はできたか!?」
リング下を見ると、桐谷がいつの間にか有刺鉄線ボードを場外に敷き詰めていた。
あっと思う間もなく、緒方は暗黒仮面の凄まじいパワーで、ロープを超えて投げ捨てられていた。
ブスブスッ!!!!
「ぐわぁーー!!!!」
有刺鉄線の鋭い刺が緒方の皮膚に突き刺さる。
背中から落ちたので男根には刺は刺さらなかったが、身体の後ろ全体を針で固定された標本のように、全く身動きができない。
「緒方さん、いいザマだな。」
桐谷が釘バットを手に緒方を見下ろしている。
「ひひひ・・・おとなしくしてればあんたは本当に甚振りがいのある野郎なのにな。」
桐谷がおもむろに釘バットを緒方の額に押し付けた。
「があっ・・・・」
緒方の額から鮮血が吹き出した。
「お?やっぱり好みの責めだったかな?ここが喜んでるみたいだけど?」
釘バットが今度は股間にぐりぐりと押し当てられた。
「おい!サソリ野郎、そこをどけ!」
暗黒仮面がリング上から叫ぶと、緒方の腹の上にフットスタンプを落とした。
「ぐぼっ・・・」
普通の人間だったら間違いなく内蔵が破裂しただろう。
緒方の鍛え上げられた超人的な腹筋はなんとか持ちこたえたが、有刺鉄線は益々深く緒方に突き刺さってしまった。

「大輔!」
朝倉はすぐさま緒方を助けようとリングを飛び降りた。
すると不破が朝倉の腕を掴んでいる。
「なんだよ!なにしてんだよ!」
腕を振り払おうとするが不破は掴んだ手を離さない。
「お、お前・・・まさか・・・・」
金髪の下の細い眉毛がピクリと上がった。

暗黒仮面が緒方の血まみれの髪を掴むと、無理矢理有刺鉄線ボードから緒方を引き剥がしにかかった。
「があっーーー!!!」
凄まじい激痛が背中に走る。
乱暴に剥がされた背中の皮膚が引き裂かれた。
タイツが有刺鉄線に引っかかり、臀部が剥がれない。
暗黒仮面が力ずくで緒方を立ち上がらせた拍子に、タイツがビリビリッと音を立てて敗れた。
「おう、ケツがチラ見せできて嬉しいんじゃないのか?」
立ち上がった緒方に強烈な頭突きが待っていた。
ゴチッと鈍い音とともに緒方は膝から崩れ落ちた。
すると後頭部に桐谷の釘バッドがジャストミートだ。
半ば脳震盪を起こして緒方は有刺鉄線ボードの上にうつ伏せに倒れてしまった。
「ぎゃー!!!」
勃起した男根に針がささる激痛で、緒方は朦朧としかけた意識を覚醒させた。
「この野郎、調子に乗りやがって・・・・」
緒方は有刺鉄線の上で腕を立て立ち上がろうとした。
手のひらに刺が突き刺さるのをものともせず、緒方は自力で立ち上がった。
タイツの前部にも破れができた。
「お前ら、まとめて犯し倒してやろうか!」
緒方の気迫に暗黒仮面がたじろぐ。桐谷に至っては5mほど後方に逃げてしまった。
「うおーーーーっ」
緒方は雄叫びをあげて有刺鉄線ボードを床から引き剥がすと、暗黒仮面に投げつけ、そのまま懇親の力を込めて体当たりをぶちかました。
暗黒仮面が有刺鉄線に絡め取られもがいている。
その時「緒方さんっ!朝倉さんが!」という声に目を向けると大岩が松葉杖でリングの反対側を指している。
そちらを見るとリング下で不破に羽交い絞めにされた朝倉に、黒杭が静かに歩みよっているところだった。
「不破・・・!?あの野郎!」
緒方は血まみれの体で走り出した。
「邪魔が入りそうだな。不破、食い止めておけよ。」
「はい!大凱さん!」
黒杭は朝倉の鳩尾に鋭くパンチを入れた。
「ぐっ・・・」
ぐったりとした朝倉のタイツのケツの部分を掴むと、黒杭は軽々と朝倉をリングに戻し、自らもふわりとロープを飛び越えた。
朝倉の青いショートタイツがTバック状態になっている。
「大悟!」緒方がリングに登ろうとしたとき、後ろから不破が有刺鉄線で緒方の首を捕えた。
「ぐぐっ・・・不破・・・なんのつもりだ・・・!?」
「はは・・・あんた能天気すぎるんだよ。俺は最初からあんたたちを潰すために送り込まれてたんだぜ。」
信じていた後輩の裏切りに、緒方は今更ながら自分の甘さに気づかされていた。
「久しぶりだな。あんたの身体は。もともと俺にイカされてこの世界に入ったんだもんな。またヤってやろうか?」
「くそっ!」
不破に勃起した股間をまさぐられ、緒方のタイツに先走りが染み出していた。
「あんたの身体はホント正直だな。俺の奴隷にしてもらえるように大凱さんにお願いしようかな。」
いまや首だけではなく身体中を有刺鉄線でがんじがらめにされてしまった。
「俺はあんたの最初の男みたいなもんだろ。な、俺の玩具になれよ。朝倉は大凱さんが目をつけちゃったしさ。」
「ふ・・ふざけるなっ!!大悟ーーー!!!」

リング上では、メガ・バズーカ黒杭が迷彩服の股間のファスナーを静かに下ろしていた。
ジッパーが完全に下まで下りた時、〝それ〟が勢いよく迷彩カーゴパンツから飛び出した。
メガ・バズーカ。
まさにその名に恥じない巨大なそれは、黒く光沢を放つ生物兵器そのものだった。
Tバック状態でマットに這い蹲る朝倉に、漆黒のアナコンダが襲いかかろうとしていた。
「大悟ーーーーーーっ!!!!!」

つづく








レスラーズ・ハイ⑬串刺しのマッチョ

「大悟ーーーーーっ!!!!!」
有刺鉄線にがんじがらめに絡め取られながら、緒方は必死で朝倉を助けに行こうとしていた。
体中が引き裂かれた血だるまの筋肉男がもがいている。
「緒方さん、エロいよ~。もっと苦しんでくれよ~」
不破がいつの間にか軍手をつけ、まるで有刺鉄線の網に捉えられた昆虫を弄ぶ童子のように、緒方の脱出を阻んでいた。
リングの向こうから、暗黒仮面とスコーピオン桐谷が近づいてくる。
まさに絶体絶命のピンチが訪れていた。
「あんたらも今日で終わりだな。」
不破がサディスティックな笑みを浮かべ、緒方の全身を舐め回すように見ていた。
「くそっ・・・・」
緒方は、これから自分に襲いかかるであろう残虐な責めを予感しつつも、リング上の朝倉を救出するために必死にあがき続けるのだった。

朝倉は、タイツを掴まれ持ち上げられた臀部に、熱い棒のようなものが押し当てられたのを感じていた。
その棒は、タイツが食い込んだケツの割れ目を撫でるように動いている。
「朝倉大悟・・・良い名だ。欲情させる名だ・・・」
熱棒の上の方から、低く澄んだ声が降ってきた。
メガ・バズーカ黒杭の声を初めて至近距離で聞き、朝倉の腕に鳥肌が立った。
すぐさま肉棒からケツを引き離そうとしたが、恐ろしい力で髪を掴まれていて身動きがとれない。
「このケツ・・・まるで古の芸術家が掘り上げた作品のようだ。しかし、この芸術品は単体ではその真価は発揮できない。対になる作品があって初めて完成するのだ。それがこの俺の暴れ棒なのだ。」
若々しくも妙に落ち着き払った声が、ケツを撫でる感触とともに朝倉を幻惑に誘いそうになる。
「な、なにを訳のわからないことを言ってるんだ!キサマなんかに犯られてたまるか!」
朝倉は必死で身をよじった。だが黒杭の力は尋常ではなく、もがけばもがくほど男根がケツに強く押し付けられる気がしていた。
「良い感じだ。抵抗する者を征服するほうが楽しみが増すものだ。だが、もう少しおとなしくしてもらおうかな。」
黒杭は、朝倉を髪を掴んだまま強引に立ち上がらせると首に腕を回し、いきなり逆落としに投げつけた。
「あがっ・・・・」
頭部がリングに叩きつけられ、自分の全体重で首が捻じ曲げられた。
(ぐぐ・・・畜生・・・効いたぜ・・・なんてパワーだ・・・・)
深刻なダメージを負ってしまった朝倉を、黒杭はまたしてもタイツを掴んで立ち上がらせる。
そしてフルネルソンに朝倉を捕らえ、巨根をケツに押し付けた。
再び首に加えられる責めと、ありえない大きさと熱さの男根がケツに与える感触で、朝倉の意識は混沌の縁に漂い始めていた。
「少しは行儀よくできるようになったかな。心配するな。俺は気に入った男を雑に扱うようなことはしない。朝倉・・・
、いや、大吾と呼ばせてもらおう。大悟・・天国に連れて行ってあげよう。」
「や、やめろっ」
突然、大悟と呼ばれて、朝倉の神経が逆立った。
「俺を名前で呼んでいいのは大輔だけだ!」
「あんな粗末なモノの持ち主のどこがいいのだ。この俺の味を知ったらあんな男の事はどうでも良くなるだろう。大悟・・・」
黒杭はフルネルソンの片腕を外し、朝倉の食い込んだタイツをずらすと、いよいよ巨根の先端をケツ穴に押し当てた。
豊満なケツたぶを黒大蛇が分け入っていく。
「くそっ!キサマなんかに1ミリだって入れさせるものかっ!」
朝倉は大殿筋に最大限の力を込めた。競パンの日焼け跡が白いケツの筋肉が盛り上がっていく。
「起承転ケツ!!!!」
朝倉の必殺技がアナコンダに牙を剥いた。

リング下では有刺鉄線に絡め取られた緒方が、不破、暗黒仮面、桐谷の3人に囲まれていた。
「どう料理してやるかな。」
暗黒仮面が憎々しげにつぶやく。
「おいおい、俺の玩具なんだから使い物にならないようにしてくれよ。」
ニヤケ顔の不破が金髪を揺らす。
「知るかっ!」
桐谷が釘バットで緒方の股間を突いた。
「うっ・・・」
それを合図に公開リンチの幕が開いた。
暗黒仮面がパイプ椅子を脳天に打ち付ける。
身動きできない緒方の腹に急所に桐谷のパンチが雨あられと降り注ぐ。
ボロボロのタイツを纏っただけの筋肉野郎が集団暴行を受けてのたうっている。
「私は3日前から入浴を絶っていたのだ。」
暗黒仮面が緒方の短髪を掴むと、自分の股間に顔面を押し付けた。
「どうだ、男の臭いがたっぷりするだろう?」
迷彩のロングタイツが緒方の血と涎でベトベトになり、勃起した男根が薄いタイツにくっきりと浮かび上がっている。
「おら!しっかり奉仕しろよ!」
暗黒仮面はタイツをずり下げるといきり立った男根を取り出し、顎を掴んで無理矢理開かせた緒方の口にねじ込んだ。
「おー!いいぜー!桐谷の行っていた通り、お前の口マンは最高だな。ああイくぞ・・・うっ・・・!」
暗黒仮面が男根を口から引き抜くと、緒方の口から大量のザーメンが溢れ出た。
「な?いいだろ?よし、次は俺の番だ。」
桐谷がトランクスから男根を出そうとしていると、
「後でゆっくりやれよ。それより大凱さんのショータイムが始まるぜ。」
不破がリング上を指す。
メガ・バズーカ黒杭がフルネルソンに捕えた朝倉にバックから挿入しようとしている。
「坊ちゃん・・・お楽しみですね。」
タイツに男根を仕舞い、位置を整えながら、暗黒仮面がリング上を微笑ましそうに眺めた。
朝倉がケツに力をいれて黒杭の挿入を拒んでいるようだが、黒杭はそんな状況を楽しんでいるかのようだ。
「あんたの相方もヤバい感じだぜ。よく見とけよ。」
緒方は立ち上がらされると、リングの方を向かされた。
「大悟・・・・」
血まみれの緒方の眼に、犯されまいと必死で抵抗している朝倉の姿が飛び込んできた。
「大悟ーーー!!!」
有刺鉄線を振り切って飛びだそうとする緒方を、桐谷の釘バットが殴り対した。
「ったく、おとなしく鑑賞しろよ。」
暗黒仮面と桐谷は、緒方の首に有刺鉄線を巻くと、左右両側からそれぞれ引っ張る形の配置で立つ。
「動くと、益々首が締まるぞ。」
なおも脱出しようと身をよじる緒方の喉に、有刺鉄線が突き刺さる。
「ゲホッ・・うぐ・・・」
涙目になって咳き込む緒方の2、3m先では朝倉と黒杭のケツ穴をめぐる攻防が続いていた。

『起承転ケツ』、大殿筋の力でアナルに侵入しようとする男根を万力のように締め上げる・・・朝倉の必殺技はこれまで何人もの地下レスラーを昇天させてきた。
この技に持ち込むために、朝倉の臀部は必要以上にエロく発達したのかもしれない。
毒蛇をフェロモンで誘い込み、入口でパクッと食いつく巨大な食虫植物のように。
そして今、黒杭の極太アナコンダを捕えた朝倉のケツは、フルパワーで大蛇の首を締め付けていた。
「どうだ、これ以上入れることも抜くこともできまい。このままイってしまえ!」
圧迫とともに微妙な動きを加える朝倉のケツ。
「うーん、いいぞー。とても心地よい。」
「なんだと!?」
亀頭の痛みに苦しんでいるかと思われた黒杭は、むしろ恍惚とした表情を浮かべている。
そして大殿筋に挟まれた亀頭が、あろうことかさらに硬さと大きさを増してきた。
「う・・・どういうチンポだよ・・・」
焦りを感じ始めた朝倉の耳元で、若く逞しいバリトンが囁く。
「大悟、そろそろ入れるよ。」
ふいにフルネルソンを解いた黒杭は、朝倉の腰に両腕を回しそのまま持ち上げた。
朝倉のケツから亀頭の先端が難なく抜ける。
「え・・・?」
そして膝を立てるとアトミック・ドロップの要領で朝倉の腰を垂直に落とした。
ただし、膝の上ではなく、巨大な肉棒の先端がケツに突き刺さるように。
グサッ
コチコチの男根の先端が、アナルの入口に達していた。
「絶対、入れさせねえ・・・」
朝倉はケツ穴に全神経を集中させた。
「大悟は強情なんだな。」
黒杭の『挿入のためのアトミックドロップ』が幾度も幾度も朝倉のケツを襲った。
(あ、ああ・・・ケツの感覚が無くなっていく・・・大輔・・・助けてくれ・・・)

「大悟ーーー!!!!」
朝倉のピンチを目の当たりにして、緒方は有刺鉄線が首に突き刺さるのも厭わず、リングサイドにすがりついた。
「おとなしくしろよ!」
暗黒仮面と桐谷が有刺鉄線を引き、緒方の身体は後方に倒された。
不破のリングシューズが、顔面を踏みつける。
「あんたも犯してやるよ。」
再び有刺鉄線が引っ張られ、上体を起こされた緒方は、そのまま前のめりに倒れ込んだ。
ケツを突き出す形で這い蹲る緒方。
迷彩ボックスの股間をさすりながら不破が舌なめずりをする。
突然、首の束縛が解けた。
有刺鉄線の片方が切れている。
「緒方さん!早く朝倉さんを助けて!」
大岩が針金バサミで有刺鉄線を切断していた。
「この野郎!」
桐谷たちが、大岩に襲いかかる。
すると青い競泳パンツの男が大岩をかばうように立ちはだかった。
「この人は、観客だ。客に手を出したら地下プロレスから永久追放だぞ!」
大岩が叫んだ。
「くっ・・・」
一瞬怯んだ暗黒仮面と桐谷の背後から、緒方が有刺鉄線の巻き付いた腕でダブルラリアットをぶちかました。
前方に吹っ飛ばされた桐谷は「あわわ・・・」と慌てふためいて逃げ出した。
振り返った暗黒仮面の顔面に緒方のハイキックが炸裂した。
横に倒れた暗黒仮面は、リングサイドに頭をしたたかに打ち付けダウンした。
身体にまとわりつく有刺鉄線を取り除きながら緒方はリングに這い上がろうとした。
「おっと、そうはいかねえぜ!」
不破の腕が背後から緒方の首に巻き付く。
「ほら、あんたの相方の抵抗も限界みたいだ。」
リング上では、十数発目かのアトミックドロップが振り下ろされようとしていた・・

「だいぶほぐれてきたな。これで最後だ。」
黒杭は朝倉を高々と持ち上げると、巨根の先端にケツを振り下ろした。
メリッ!!!
「ぎゃーっ!!!!!」
固く閉ざされていた朝倉のケツ穴が、ついに黒杭の逆杭打ちの前に貫通を許してしまった。
メリメリ・・・
ローションもないのに、黒杭の粘着質のカウパー氏線液が巨根を穴の奥深くまで導いていく。
朝倉は自分がケツから串刺しにされていくような感覚を味わっていた。
そして黒い杭の先端はとうとう、朝倉の中心、絶大な陶酔の源に達してしまった。
朝倉の脳内でビッグバンが起きていた。
真っ白な閃光と深淵な闇が、交互に視界を支配した。
「あう・・・・」
朝倉は射精した。
大量のザーメンが、青いタイツの股間の隆起の先端から溢れ出した。
半開きの口から涎が、そして虚ろな目からは涙が溢れていた。

「大悟・・・・!?」
不破にスリーパーに捉えられていた緒方は、朝倉が串刺しにされ、射精する光景に衝撃を受けていた。
緒方の中で、大切な何かが木端微塵に砕け散った。
黒杭にケツを差し貫かれ痙攣する朝倉の姿に、屈辱感が激流のように緒方を飲み込んだ。
緒方は射精した。

「おやおや緒方さんもう出しちゃったんすか?俺が抜いてやろうと思ってたのに~。」
不破の声ももはや緒方には聞こえていなかった。
黒杭に凌辱された朝倉、それを見て果てた緒方もまた、黒杭に犯されたと言えるかもしれない。
THPW正規軍のダブル射精で、ブラックパイル軍の勝利が一層濃厚になった。
黒杭組長の高笑いが、会場中にこだましているかのようだった。

つづく







レスラーズ・ハイ⑭遅すぎた覚醒

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緒方と朝倉ダブル射精!
不破にスリーパーに捕らえられ血まみれの緒方。
黒杭に立ちバックでケツを串刺しにされ涎を垂らしている朝倉。
2人とも股間のタイツ越しに真っ白な精液をドクドクとあふれさせている。
衝撃的な光景に観客たちは水を打ったように静まり返っている。
不破の裏切りで2対4となった闘いに、THPW正規軍は敗れてしまうのか!?
THPWは黒杭組の暗黒支配に下ってしまうのか!?
「大悟、お前のケツは俺のモノと相性が抜群らしい。とても気持ちがいいよ。」
朝倉の耳元で黒杭がささやく。
甘いバリトンとは裏腹に、朝倉のケツに突き刺さる黒杭の超巨根は、さらに猛々しく膨張していた。
「もっと楽しませてくれ。」
黒杭の猛烈ピストンが開始された。
ありえないスピードで黒杭の雄々しい腰が、朝倉の豊満な臀部に打ち付けられる。
パンパンパンパンッ・・・・・・!!!
朝倉の全身が痙攣し始めた。
2度目の絶頂の波が、朝倉を飲み込もうとしていた。

リング上で人形のように陵辱される朝倉の姿に、緒方は茫然自失の状態になっていたが、不破のスリーパーが頚動脈を締め付ける苦しさに、ようやく我に返った。
「あんたの相方が失神するのは時間の問題だな。それとも俺があんたを落とすのが先かな。」
不破のスリーパーに力が込められる。
「うぐ・・・」
ほんの少しのポイントのズレが、緒方の血流を完全に止めることを防いでいた。
だが、このままではいずれ不破に締め落とされてしまうことは目に見えていた。
次第に霞んでいく視界に、黒杭の巨根を軸に木偶のように揺れている朝倉の姿が映った。
(大悟・・・・すまない・・お前を助けられなかった・・・・)
もはや焦点を結んでいないかとも思われる朝倉の虚ろな目と、緒方の目が合った。
と、その瞬間、
「あがぅああああ・・・」
奇声を発した朝倉の股間から、再びザーメンが溢れ出した。
「大悟っ!!!!」
緒方の頭の中が真っ白になった。
「うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
緒方は、背中に張り付いている不破ごと身体を180度反転させ、リングに背を向けた。
「おわっ」
突然の緒方のパワーに驚く間もなく、次の瞬間不破の背中はエプロンサイドに叩きつけられていた。
不破を背負ったまま、後ろ向きにリングに体当たりし続ける緒方。
その目は血走り、異様な光を放っていた。

「あれは・・・緒方さんのあの目は、暗黒仮面との試合でも見たことがある・・・」
緒方を見つめる大岩の声が震えていた。
「バズーカ緒方が獣になった・・・・」
大岩を支える青競パンの男がつぶやいた。

たまらず緒方の首から腕を解いた不破の顔面に、緒方のパンチが炸裂する。
「ぶにゃう!」
鼻血を吹き出しダウンする不破の両足を持った緒方は、そのままジャイアント・スイングの体で不破を振り回し始めた。
「うおおおおおおおおっ!!!!!!」
狭いリングサイドで繰り出される大技に、不破の体はリングに、観客席の鉄製の金網にガンガンと打ち付けられた。
不破の上半身が、あっという間に血まみれになる。
暗黒仮面と、スコーピオン桐谷がパイプ椅子を持って駆けつけると、緒方は不破の身体を二人に向かって放り投げた。
3人がゴミバケツのように重なって倒れるのを視界の隅に確認しながら、緒方はリングに飛び上がった。
「黒杭ーっ!キサマ!!!」
「やっとリングに戻って来れたな。遅いぞ。」
メガ・バズーカ黒杭は顔色ひとつ変えず、朝倉のケツから巨根を引き抜いた。
スポッン・・・
朝倉の身体がボロ雑巾のようにリングに捨てられる。
「大悟!」
緒方に抱きかかえられた朝倉は失神していた。
カンカンカン!!!!
ゴングが打ち鳴らされた。
朝倉の失神射精KOで、ブラック・パイル軍の勝利なのか・・・!?
騒然となる客席。
花道を新支配人の長谷部が歩いてくる。
リングに登った長谷部が厳しい顔でマイクを取る。
「ただいまの試合は、映像鑑定を経た審議の結果、失神KOで・・・・」
朝倉を抱く緒方以外の全員の視線が、長谷部に集中した。
「THPW正規軍の勝利とします!」
リング下で伸びている血まみれの不破が大型モニターに映された。
「おやおや、不破はそちらのチームではなかったのかな?」
黒杭が微笑んで長谷部に聞く。
「不破は試合の最初から、ブラックパイル軍だけに貢献していたので、正規軍とはみなさない。」
毅然とした長谷部の言葉にも、黒杭は笑みを崩さずむしろ面白そうに言った。
「ほほう。そうですか。でも観戦した人たちにはどちらが勝ったと映りましたかね?」
血まみれの緒方、失神している朝倉を見下ろすようにリング中央に立ちはだかるメガ・バズーカ黒杭。
彼は両腕を力強く頭上に掲げた。
すると会場が暗くなりスポットライトが彼を照らしだした。
完璧な容姿の冷血動物から発散される凄まじいオーラに、会場中が震撼した。
さらに一筋のライトがVIP席に当てられると、暗闇の中から黒杭嘉右衛門組長が現れた。
不敵な笑みを浮かべる怪老人。
「キサマら・・・・絶対許さねぇ・・・・・!!!」
緒方の瞳が血の色を帯びて光っていた。

つづく

レスラーズ・ハイ⑮喪失の嵐

東京都内は激しい嵐に見舞われていた。
交通機関はことごとくマヒし、都会の夜はいつもとは違った世界に変貌していた。
そんな暴れ狂う嵐の気配がまったく届かない地下施設のトレーニング・ルームで、緒方と朝倉は無言でうなだれていた。
どのくらいの時間、こうしていただろう。
緒方は意を決したように顔を上げ、朝倉を見た。
「大悟・・・・」
朝倉は床の一点を見つめたままだ。
「大悟、済まなかっ・・・・」
「なんで、謝るんだよっ!」
朝倉が顔を上げ、緒方の言葉を遮った。
「どうして大輔が謝らなきゃならないんだ。悪いのは俺の方なのに。」
「俺が大悟を助けられなかったから・・・」
「違う!そうじゃない。大輔が助けに来るまで持ちこたえられなかった俺が悪いんだ!」
対抗戦でメガ・バズーカ黒杭に犯され、2度までもイかされてしまった朝倉は、失神状態で担架に乗せられ、まる3日間地下施設の医療エリアで過ごしたのだった。
ようやく治療室を出た後も、彼は誰にも会おうとせず、自室に篭もりきりだった。
今夜、緒方の呼びかけにやっと応じ、二人が顔を合わせて話すのは何日ぶりだろう。
緒方は、朝倉を黒杭の魔手にかけさせてしまった自分の不甲斐なさに、烈しい自責の念に駆られていた。
(だが、大悟の負ってしまった傷の方がきっと深いんだ。大悟は自分の目の前で他の男に犯され果ててしまったことを痛恨の思いで噛み締めているんだ・・・・)
今すぐにでも朝倉を抱きしめ、傷ついた心と身体を癒してあげたかった。
緒方の腕が、朝倉の肩にそっと伸びてもう少しで触れようとした時、
「大輔・・・しばらく俺のことは放っといてくれ。」
急に立ち上がった朝倉は、トレーニング・ルームを出て行く直前一瞬だけ緒方と目を合わせ、
「すまない・・・大輔・・・・」
と小さく言うと廊下の闇に消えていった。
取り残された緒方は、朝倉の去った後の闇を見つめたまま、呆然と立ち尽くすことしかできなかった。


「次のタイトル・マッチの結果で、、地下闘技場の実質的な運営権を決めるということでよろしいかな?」
THPWの上層部が一同に会した会議室で、黒杭嘉右衛門はふてぶてしい笑みを浮かべながら鷲号会長に詰め寄っていた。
理事としてこの場に出席している政治家や大企業の重役たちは、貝のように押し黙っている。
黒杭組の裏工作が功を奏しているのだった。
黒杭組長の横に立つ佐田の胸ポケットには、VIP席の暗がりで競パン一丁で自慰に耽る文部科学大臣、試合後のオークションでレスラーの脱いだタイツを大金で落札し、それを被ってもだえる宗教団体の教祖などが写った写真が束になって収められていた。
新支配人として会合に参加していた長谷部は、THPWが追い詰められてしまったという空気を痛いほど感じていた。
会長席で目を閉じ、無言を貫いていた鷲号会長の瞼が突如開いた。
「決断の時がきたようだな。」


ライディーン竜崎、地下プロレスの神・・・・
トレーニング・ルームに一人残された緒方は、壁の中央に飾られた逞しい男の写真にいつしか見入っていた。
完全無欠な必殺技を編み出し、その技に溺れた故にリングで命を落とした伝説のレスラー。
「どんな技だったんだ・・・?俺にその技を授けてくれ。ライディーン・・・・」
今の緒方の心は、メガ・バズーカ黒杭への憎悪ではち切れんばかりになっていた。
先輩のエンペラー権田は病院送りにされ、仲間の大岩は集団暴行を受け、かつての後輩の不破は洗脳され、そして・・・・そして大切な朝倉大悟をリングで陵辱されてしまった・・・・
「あいつを、地下プロレス最強の技で葬ることができたら・・・・!」
握り締めた拳に爪が突き刺さり血が流れ出していることにも気づかず、緒方はいつまでも写真をにらみ続けていた。

「・・・・・・・」
雷鳴の音・・・・?
深夜、自室のベッドでふと目を覚ました緒方は、たった今聞いたと感じた音に耳を澄ました。
(ここに外の音が届くわけないか・・・・)
一人で寝るベッドはやけに広く、寒々しかった。
朝倉が緒方の部屋に訪れることは、あれ以来一度もなかった。
胸を引き裂かれそうな寂寞感に飲み込まれそうになり、緒方は両頬をぴしゃっと張ると、立ち上がってキッチンに歩いて行った。
冷蔵庫からミネラル・ウォーターを出していると、また物音がした。
今度は気のせいではない。
(部屋の外・・・?)
自室のドアをそっと開け、外廊下の様子を伺う。
廊下の曲がり角を人影がよぎった。
(大悟・・・・?)
あのシルエットは大悟じゃなかったか?
緒方は急いで廊下を走り、角から人影のした方をのぞき見た。
(やっぱり大悟じゃないか!・・・・あの格好は、なんだ?!)
廊下を進んでゆく朝倉の後ろ姿は、白いリングシューズにニーパッド、白いショートタイツと、まるでこれから試合に臨むかのようだ。
緒方は何故か声をかけることができず、そのまま朝倉を尾けていった。
廊下を歩いていく試合姿の朝倉。
(この方向は・・・トレーニング・ルーム?)
緒方の推察通り、朝倉はトレーニングルームに入っていった。
(もしかしたら、大悟の気持ちが復調してきたのかもしれない・・・・)
深夜のトレーニング・ルームでタイツ姿で稽古することで、朝倉なりのリハビリを施そうとしているのか。
緒方は、自分も一緒に練習しようと、トレーニング・ルームのドアに手をかけた。
(いや・・・・今はやめておこう。)
朝倉も闇から抜け出そうと必死でもがいているのだ。
しばらくそっと見守るほうがいいだろう。
ドアに背を向け、立ち去ろうとした緒方の耳に信じられない声が聞こえた。
(・・・・・・!!!!な、なんだと・・・・・!!!!!)
今の声は、まさか、そんなはずはない・・・・・!!!!
トレーニング・ルームのドアを粗粗しく開け放った緒方の目に飛び込んできた光景は・・・・・!
「あ、あああ・・・ケツが熱い・・・スゲェ・・・ああああ・・・・」
白いショートタイツのケツの部分を捲り上げ、顕になったケツ穴に超極太の巨根を後背位でぶち込み、激しく腰を打ち付ける黒杭大凱と、自らも腰を振り白目を剥いて悶える朝倉の姿だった。
「おっと、これは思わぬギャラリーがお越しのようだ。」
あまりの衝撃に口もきけない緒方に、黒杭大凱は嘲るような笑を向けた。
「キサマの〝元〟恋人はリングでこんなふうにされるのが一番燃えるみたいだな。はははは!!!!」
朝倉大悟は自らの意思でここにきたのだ。
黒杭大凱に抱かれるために・・・・
「ぅあああああ!!!イク・・・・・イ、イク!!うっぐ・・・」
頭の中で核爆発が起きたようなショックに焦点もままならなくなった緒方の目に、純白のタイツ越しに飛び散る朝倉のザーメンが、スローモーションで映っていた・・・・・

つづく

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レスラーズ・ハイ⑯本当にあった!○○のビデオ

「THPWの経営権を、次のタイトルマッチの試合結果次第で、黒杭組に移譲することを検討する。」
鷲号会長の苦渋の決断が下されたのは1週間も前のことである。
理事に名を連ねるこの国の黒幕たちの中には、闇組織の脅迫に屈するべきではないという意見ももちろんあったが、
タイトルマッチで万が一黒杭側が勝利した場合、それでもこちらが権力を守ろうとすれば、闇組織は国に牙をむくだろう。
いくら黒杭組が強大であっても、一国家に歯向かって勝てるはずがない。
だが、奴らが捨て身になったら、この国をスキャンダルの嵐に晒すことはできるのだ。
そうなったら地下プロレスそのものの存亡が危なくなる。
鷲号会長は、THPWのトップしか入ることのできない金庫エリアにいた。
指紋認証で開いた引き出しから取り出したのは、1本のビデオテープだった。
(必ず勝ってくれ、緒方・・・・・)
金庫エリアから出た鷲号会長は、スーツの内ポケットからスマホを取り出した。
「・・・長谷部か?渡したいものがあるので会長室に来てくれ。」

「ライディーン竜崎のビデオだ。」
長谷部から渡されたビデオテープは表面がベタベタしているように緒方には感じられた。
地下プロレスの伝説。
必ず、相手を昇天させ、リングに沈める最強の必殺技を持っていた男。
そして、その技ゆえに自分の雄力を使い果たし逝ってしまった男。
ライディーン竜崎がこのビデオに映っているというのか?
「鷲号会長が保管していた。現存するライディーンの映像はこれだけだ。」
長谷部は緒方の目をまっすぐに見据えた。
「危険なビデオだぞ。」
緒方は長谷部を無言で見返していたが、やがて言った。
「俺は黒杭を倒す。そのためなら何でもする。」
地下施設の静けさが、鼓膜を切り裂くような一瞬。
「わかった・・・・・」
長谷部はポケットから鍵を取り出した。
「鷲号会長からこれも預かった。山荘の鍵だ。今からそこに行く。」

1時間後、緒方と長谷部、そして大岩が地下施設の駐車場から車で出て行った。
その様子をこっそりと伺っている人影に、3人は気付かなかった。

「ライディーン竜崎・・・・・。その名をまた聞くことになろうとは・・・・・」
偵察に出ていた不破から、緒方たちの動向を報告された黒杭嘉右衛門は、深くため息をついた。
「大凱、お前に話す時がきたのかもしれん。」
父親の、どこか尋常ではない声音に、黒杭大凱が顔を上げた。
「因縁じゃ。鷲号が最終決戦にどうケリをつけようとしているのか解った。これは因縁なのじゃ。」
怪老人の、息子への「告白」は一晩中続いた。

夜明け近くに、緒方たちの車が、山深い山荘に到着した。
車から降り立った緒方は、赤いショートタイツ一枚身につけたのみ、といういでたちだった。
「来週の試合まで、お前はそのタイツを脱ぐことはできない。雄の精気をタイツに充満させるのだ。」
山荘の外には屋外リングがあった。
風雨に晒されていたにしては状態が良い。
「ここにまた人が来るとはな。」
山荘から3人の屈強な男たちが出てきた。
3人ともビキニパンツ一丁だ。
「この山荘の管理人たちだ。そしてお前の練習相手だ。ここは地下プロレスラー養成所だったのだ。」
長谷部の説明に3人が付け加える。
「権田もここで俺たちに揉まれていったんだぜ。」
「あいつが最後だったかな。それ以来誰もここに送り込まれてこなかった。」
「会長から連絡をもらったぜ。えらく短期間で仕上げてくれってことだったが・・・・」
長谷部がカバンからビデオテープを取り出した。
「ライディーン竜崎の技をモノにする。相手は黒杭嘉右衛門の息子だ。」
「なんだって・・・・!?」
3人は絶句した。
やがてモスグリーンのパンツの男が緒方に言った。
「鷲号が何を考えているのかわからないが、どうやらお前は過去の因縁に巻き込まれたようだな。」
「さ、とにかくライディーンの技をなんとかしたいんだったら、あんまり時間ねえぜ。早速ビデオを見よう。」
白いパンツの男が一同を山荘に促す。
随分煤けているが、白いタイツは緒方に朝倉を思い出させた。
緒方の胸の奥でズシンと重い痛みが走る。
(黒杭大凱・・・・お前には借りが出来すぎちまった。まとめてお返しするぜ・・・・!)
朝霧が濃く立ち込める山荘で、大岩の持ってきたビデオデッキに古いテープが差し込まれた。
そこに映っていたのは・・・・・・!?

つづく







レスラーズ・ハイ⑰因縁の樹海

緒方大輔は滝に打たれていた。
ダーク・レッドのショートタイツが濡れそぼり、男根の形状をくっきりと浮き上がらせている。
山奥の訓練施設に到着してから、このタイツは排泄の時以外脱いでいない。
もはや緒方の皮膚になったかのごとく、その強靭な肉体の一部としての佇まいである。
ライディーン竜崎の究極の技を体得するための特訓は想像を絶していた。
3人の教官との実戦。
3人はあらゆる性感攻撃、反則攻撃を駆使して緒方に襲いかかった。
白パンツの男がいきなり男根を取り出し、緒方に顔射した。
ありえない目潰しにひるむ間もなく、モスグリーンのビキニパンツの男に羽交い絞めにされた。
黄色パンツが嵐のようなパンチの連打を緒方の腹にブチ込む。
たまらず膝から崩れ落ちた緒方のケツに、竹刀の先端が突き立てられる。
絶叫とともにリング下に落下した緒方を、3人は近くの杉の大木にロープで固定した。
容赦のない鞭打ちが始まった。
血まみれでぐったりとなった緒方の金玉をそっと握る白パンツ。
「オネンネの時間にはまだ早いぜ。」
突如睾丸に加えられた凄まじい力に、緒方の呼吸が一瞬止まる。
そのあいだにも他の2人によって、乳首には緩急つけた愛撫がなされ、尻の割れ目にねじ込まれた指は、タイツ越しに肛門をいじり倒していた。
「おああぁぉ・・・・・」
たちまち果てる緒方。
この地獄のスパーリングは何時間も続いた。
数え切れないほど精を放出した緒方に、夜の特訓が待っていた。
教官たちとの4P。
3人に挿入し、イカせるまで睡眠をとることは許されなかった。
2人までなんとかイカせ、最期の黄パンのケツにバックから挿入したとき、緒方はとうとう意識を失った。
視界が完全に闇に飲み込まれる直前、モスグリーンパンツのつぶやきがかすかに聞こえた。
「おいおい、こんなんじゃ絶倫ライディーンの息子に勝てるわけねえぞ・・・・」
今、滝に打たれながら、緒方は「ライディーンの息子」に思いを馳せていた。
ライディーンの息子・・・・・
それは・・・・・

都内のタワーマンションのペントハウス。
黒杭大凱は全裸で壁一面ガラス張りの窓から夜景を眺めていた。
ガラスに映る超像のような肉体。
「父」から聞かされた自身の出生の秘密は、この鋼の肉体の裏付けなのか。
自分が黒杭嘉右衛門の血を一滴も受け継いでいないと聞かされても、心の乱れを感じることはなかった。
むしろ、すでに知っていることを改めて聞かされたような煩わしさに苛立ったほどだ。
ただ、性欲が異常な高まりを見せている。
部屋の中央のダブルベッドでは、朝倉大悟が全裸で横たわっている。
大凱の常軌を逸した責めに失神しているのだ。
(やはり俺は獣の血を引いていた。)
黒杭大凱の真の父親はライディーン竜崎だった。
圧倒的な雄力で地下プロレスの頂点に君臨し、〝殉職〟した男。
そして母は・・・・!?
黒杭組長に囲われていた元女子プロレスラーだと聞いていたが・・・・
その女もとんでもないケダモノだった。
ケダモノの性欲はまさに底なしで、嘉右衛門も持て余していたが、その性技は超絶であったという。
嘉右衛門の子種は、彼女の中で芽吹くことなくことごとく死に絶えた。
長子を切望していた嘉右衛門にとって、石女の愛人は不要であったが、すでに蜘蛛女の性の網に絡め取られていた御曹司は、手を切れずにいたのだ。
そんな折、嘉右衛門の地下プロレス観戦に同行した彼女は、一人のレスラーを見てあからさまに発情したという。
それはもちろんライディーン竜崎だ。
気高い雄として衆道の道を歩んでいたライディーンが、下劣な女を視界に入れることはまず無かったはずだ。
ある日、興行終了後に愛人の姿が見えなくなり方々を探し回っていた嘉右衛門は、選手控え室で信じられない光景を目の当たりにしたのだ。
それは、試合で射精したライディーン竜崎のショートタイツを陰部に擦りつけ、恍惚の雄叫びをあげる奇怪な牝蜘蛛の姿だった。
嘉右衛門はあまりの恐怖に戦慄したが、その光景から目が離せなかったという。
人間と獣の境界線上にいる女に、これまで以上に興味を抱いている自分を発見したのだ。
極道の家系に生まれ、およそ通常とはかけ離れた人間観を持った嘉右衛門には、おぞましいものに惹きつけられてしまう感性が根付いていた。
(面白い・・・・)
その日から嘉右衛門が化物女と同衾することは一切なくなった。
その代わり、地下プロレス観戦に必ず彼女を連れて行き、異常な自慰行為を観察しながら自身も昂る、という変態的な習慣が出来上がった。
そして、化物は孕んだのである。
常識では絶対考えられない受精劇の末、黒杭大凱は生まれでてきたのであった。
そこには愛などというものはひとかけらも存在しない。
男の肉体同士がぶつかり擦れ合って放出された精の残骸が、妖怪にも等しい淫乱女に取り込まれ、奇跡的に〝命〟になった。
それがこの俺。
「ふっふっふっ・・・・」
いつしか黒杭大凱は笑い出していた。
(やはり俺は神の子なのだ。汚らわしい愛憎の廃棄物ではないのだ。)
世界中の男を食い尽くすことだってできそうな気がしていた。
知らぬまにいきり勃っていた大凱の巨根は、まったく手を触れることなく豪快に射精した。
白よりも白い濃密な液体が、高級マンションのガラス窓をつたって滴り落ちた。

つづく






レスラーズ・ハイ⑱今日の出来事

台風は今夜にも都内を直撃するという。
田代誠二は天候を心配しつつも、今夜の大一番に履いていく競パン選びに余念がなかった。
「やっぱり赤だよな。アシックスのハイドロCD。この透け感が緒方のショートタイツにいちばん近い気がするし。」
誠二は緒方のエロいやられっぷりが大好きであったが、今夜だけはあのメガ・バズーカ黒杭を完全に葬り去ってほしかった。
最近ではブラックパイルの黒服たちが我が物顔で会場を闊歩している。やつらがウロウロしているせいで試合を見ながらのセンズリにもいまひとつ集中できない。賭け金の取り立ても随分横暴になった。
(それに、緒方は大岩君の先輩だしな・・・)
あの地獄のタッグマッチの夜、大岩に手を貸したことで二人の間に甘酸っぱい感情が生まれていた。
別れ間際、誠二の青い競パンの股間を軽くタッチしながら大岩は言った。
「今はゴタゴタしてるけど、みんな片付いたらまた会ってくれる?」
「うん・・・・」
大岩の、同じく青いショートタイツの股間が硬くなり始めているのを手のひらに感じながら、誠二は頷いた。
(大岩君・・・今夜もきっと会えるね。)
おもわず陰茎を握りしめている自分に気づき、ハッと我に返る誠二。
「おっといけない。3日も禁オナニーしてるのに、今出したらダメダメ!」
壁の時計を見ると、誠二はそそくさと出かける支度を始めた。

大岩瞬は今夜の試合の仕様を伝えられ、改めて戦慄していた。
リングの四方を鉄製の金網フェンスが高く覆っている。
リング内には緒方と黒杭の二人だけ。レフェリーさえも入らないという。
どちらかが、完全に相手を叩きつぶし、先に金網を乗り越えた者が勝者となる。
逆にいえばリングを乗り越える者がいない限り試合は終わらない。
無法地帯のフェンス内でどんな凄惨な闘いが繰り広げられるのか・・・・
スティール・ケージ・ラストマン・スタンディング・デス・マッチ。
「長いな。略してSCLDMにするか。まだ長いな。覚えられねえ・・。」
意味のない独り言を言って、必死に心を落ち着かせようとする大岩だった。
「さて、お掃除でもしちゃいますかね。」
何かしていないととてもやってられないと、控室を片づけ始めた。
大岩達が山の特訓に言っている間、控室は掃除をする者もいなかったのか随分埃がたまっている。
せっせと履き掃除をしていると、ロッカーに肩がぶつかった拍子にひとつの扉が開き何かが落ちてきた。
拾い上げるとそれは黒いショートタイツだった。
(権田さんのだ・・・・)
権田は黒杭との一戦の後、試合姿のまま病院に担ぎ込まれた。
あの時のタイツは、失禁でビショビショになっていた。
これは予備のタイツだろう。
(権田さん、今夜は会場に来られるかな・・・・・?)
緒方や権田との楽しかった日々を思い出し、ふいに涙ぐみそうになった大岩は頭をブンブン振ると、また掃除に取り掛かった。

「望、まだ無理しないほうがいいって。先生も外出は控えるように言ってるし・・・」
新垣裕之は起き上がろうとする権田望を必死になだめていた。
「ヒロ・・・、き、今日は行かなきゃならんのだ・・・・行かせてくれ・・・・」
ようやく話せるようになった権田は新垣に懇願した。
「く、黒杭大凱は悪魔だ・・・緒方が心配なんだ・・・・」
「それは解っているよ、望。だけど僕は望の体が心配だ。」
メガ・バズーカ黒杭に半殺しの目に逢い惨敗した恋人を、できればリングに近付けたくない新垣だった。
「俺が行ってもなんの助けにもならないかもしれない。だ、だが俺はアイツと闘ったことがあるんだ。もしかしたら・・・もしかしたら緒方の力になれるかもしれない。た、たのむ行かせてくれ!」
しばらく目を瞑って黙考していた新垣が目を開けた。
「わかったよ、望。僕たちもTHPWの一員だもの。今日はいかきゃな。」
「ヒロ・・・ありがとう!」
「長谷部さんに電話して、誰か迎えに来てもらうよ。きっと大岩君が来ると思うけど。」
スマホを取りに行くふりで権田に背を向けた新垣は、涙を指でそっと拭った。

「そうか・・・解った。後で大岩に行ってもらうよ。権田と新垣君に来てもらえたら心強いよ。今日は総力戦だからな。ではまた後で。」
携帯を折りたたんだ長谷部康文は、部屋に集まっているTHPWの地下レスラー達に振りむいた。
「権田が来るそうだ。」
部屋中のレスラー達から「おーっ!!!」と歓声が上がる。
長くTHPWの王者に君臨していた権田は地下レスラー達の兄貴的存在だ。
その兄貴をボロボロにした憎いメガ・バズーカに、今夜は緒方が仇をうってくれる。
「さっきの説明を頭に叩き込んでおけよ。黒杭組の連中が妙な動きをしたら、すぐさま俺に報告だ。あいつらは信じられないくらい汚いからな。くれぐれも油断は禁物だ。」
長谷部の大声で、部屋が静かになる。
「フェンスに囲われているとは言え、あいつらが卑怯な手を考えていないとは言い切れない。絶対にそんなマネはさせねえ。お前たちが緒方を守るんだ!」
「おーっ!!!」
再び、地下レスラー達の雄叫びが部屋に響き渡る。
長谷部は男どもを見渡して、改めて気を引き締めた。
(泣いても笑っても今夜で決まる・・・・緒方、頑張ってくれ・・・・!)
今、孤独な闘いに挑もうとしている緒方に、少しでも力になれるのは俺達しかいない。
そう、俺達しかいない・・・・
本当はこんな時に緒方が一番傍にいてほしい男はもういない・・・・
(もういないんだ・・・・・)
長谷部は一瞬硬く目を瞑ると、会場の見取り図を広げ、再び地下レスラー達に声を張り上げた。

シャワーの湯煙に、彫刻のような美しい裸体が浮かびあがる。
朝倉大悟は先程までの行為の残滓を洗い流していた。
黒杭大凱は最後まで射精しなかった。
ただしその赤黒い一物は全く衰えることを知らず、朝倉のケツを貫き、貪り続けた。
朝倉自身は3回以上はイッただろう。3回目までしか覚えていないのだ。
(あの獣の交尾に、俺は完全に囚われてしまった・・・・)
大悟と大凱の関係は、心というものを一切介していないかのようだった。
普段、大凱が朝倉を見る目は、たとえば洗面所の歯ブラシを見る目となんら変わりはなかった。
SEXの最中といえば、さらに即物的に扱われているような気がする。
だが、それでも朝倉は快感の濁流に抗うことができないのだった。
リングで串刺しにされ、犯された瞬間から朝倉はまさに性奴隷と化してしまったのだ。
(俺はもう人間じゃない。ただのオナホールだ・・・・)
そんな自虐も、大凱の一突きでうやむやにされてしまう。
ボディーソープでなめらかに滑る指が、逞しい臀部の割れ目に滑り込む。
肛門に自身のやわらかな愛撫が加えられる。
(ああ・・・・ハードなのばっかりだとこんなのも新鮮だ・・・・・)
人間の営み・・・愛の営み・・・・    ・・・・・!
突然甘いフラッシュバックが朝倉の脳髄と肛門に閃光のように駆け抜けた。
(大輔・・・・!)
「大輔!」
知らずに声を出してしまっていた自分に驚く。
これまで、心の奥底に封印していた大輔との思い出が、突然堰を切ったようにあふれだした。
(今夜は・・・、そうだ・・・大輔と大凱の・・・・・!)
快感に身を任せ、そのほか一切の煩わしいことから逃げていた朝倉に、とうとう〝現実〟が追いついてしまった。
(俺を快感の虜にした男と、かつて俺を愛した男が決着を着ける・・・・・)
「かつて愛した」という語彙が、予想外に朝倉の心に突き刺さる。
(大輔はもう俺を愛していない・・・・俺のせいだ・・・・俺が悪いんだ・・・・・)
シャワールームに崩れ落ちる朝倉。
白い湯気が美しい筋肉を覆っていった。

真っ暗なトレーニング・ルーム。
蝋燭に火が灯され、全裸で正座する緒方大輔が浮かび上がった。
山から戻ってから、何時間も一人で瞑想していた緒方。
小さな炎にライディーン竜崎の肖像が照らされている。
「あなたの子種が、とんでもない悪魔になりました。
あなたは地下プロレスの神です。雄の欲望をプロレスと融合させ、体現したまさに創造者です。
俺は、生まれついての地下プロレスラーです。これ以外の生きる道は考えられません。
それが今、あなたの子種に壊されようとしている。俺の人生だけじゃない。あなたが必死に築き上げてきたこの組織もやつに飲み込まれようとしています。」
風もないトレーニングルームで蝋燭の炎が瞬き、ライディーンの写真が揺れた。
「あいつは俺の先輩を病院送りにし、後輩を裏切らせ、仲間を袋叩きにし、そして・・・・そして、おれの恋人を寝取りやがった・・・・・!」
正座の上で拳が固く握られ、爪が食い込んだのか血が流れ始める。
「あいつだけは許さない!」
緒方はライディーン竜崎の写真を睨みつけた。
「本来なら、あなたの遺伝子が残っているなんて奇跡です。とても貴重なものでしょう。
でも、俺はその存在が許せない。抹殺します!」
緒方は立ち上がり、傍らに置いてあったショートタイツを足に通した。
薄く収縮性のある布がぐっと睾丸と陰茎を締め付け、亀頭がその締め付けに対抗するようにくっきりと浮き出る。
ケツの割れ目にしっかり食い込んだ生地が、肛門に刺激を与え前立腺を活性化する。
炎が一瞬激しく揺れ、ライディーン竜崎の写真の股間が勃起したように見えた・・・・


「いよいよじゃな・・・・・覚悟はできておるかな?」
「そっくりお返ししましょう。今度こそあなたたちには撤退してもらいます。」
鷲号会長と黒杭嘉右衛門組長の不気味なシルエットが会長室の曇りガラスのパーテーションに染みのように浮き出ていた。
夜になり、予報通り関東に上陸した台風が、都内をすさまじい嵐で覆い尽くした。
轟く雷鳴の音も、地下深くの雄どもの巣窟には届かなかった。

つづく






レスラーズ・ハイ⑲炎のリベンジ・マッチ

100年に一度といわれる大型台風直撃で、都内全域が交通マヒに陥っていた。
にもかかわらず、THPW地下闘技場には全会員が詰めかけていた。
今夜の試合が、今後の地下プロレスの運命を大きく変えるかもしれず、観客にとってもその勝敗は、自身の性生活にかかわる重大事であった。
バズーカ緒方が勝った場合、これまで通り鷲号会長率いるTHPWが運営を続け、黒杭組は撤退することになる。
賭け試合に大金をつぎ込む必要はなくなり、雄同士の熱くエロい試合に純粋に向きあうことができるようになるだろう。
一方、緒方がメガ・バズーカ黒杭に敗れてしまったら・・・・
鷲号会長は更迭され、黒杭組長が後任となりブラックパイルが地下プロレスを支配する。
これまで以上にギャンブルの要素が強くなることは間違いなく、裏社会の影響を少なからず受けるだろう。
そうなればここは、プロレスを見ることで股間を熱くする男たちの楽園ではなくなるだろう。
観客のすべてが、緒方の勝利を祈っていた。
会場が突如真っ暗になった。
一斉に静まり返る観客。
ゴングが一定の間隔をおいて打ち鳴らされる。
厳かな宗教儀式が始まるかのようだ。
会場の隅にスポットライトが当てられ、その対角線上にも同じく光の柱が斜めに立った。
両選手の同時入場だ。
東の入口に緒方の姿が浮かび上がる。ほとんど間をおかず黒杭も現れた。
ゆっくりと歩を進める緒方。
グレーのパーカーをフードをすっぽりと被った状態で、表情は読み取れない。
赤いショートタイツの股間のふくらみが、今夜はより艶めかしく見える。
小さな布に収まりきらないケツの肉をブリブリさせながらリングに向かっていく。
対する黒杭はいつも通り全身迷彩服のいでたちだ。 
非情な兵士が美しい顔の仮面をつけているようなアンバランスさが、なんとも不気味な雰囲気を醸し出している。
あの涼しげな容貌の正体は、実は残虐な人間兵器なのだと観客は皆知っている。
ふたりがリングインすると、会場の天井から巨大な鉄の覆いが下りてきた。
ガシーン!と物々しい音を立て鋼鉄製のフェンスが着地する。
リングは完全に「鉄のかご」の中に収まった。
レフェリーがいない「かご」には、緒方と黒杭のふたりだけだ。
ゴングの音が止み、会場に照明が戻ってきた。
カンカンカーン!試合開始のゴングが打ち鳴らされる。
コールもなくいきなり始まった試合に呆気にとられていた観客たちだったが、徐々に我に返り声援を送り始めた。
喧騒に息を吹き返したような会場の中心で、男と男が睨みあっていた。

「緒方大輔・・・とうとう貴様をグチャグチャにできるのだな。待ちわびていたぞ。」
「そっくり返すぜ。お前には他にも借りが多すぎてな。まとめて完済させてもらう。」
ジリジリと間合いを詰める両者。
緒方のいきなりのハイキックを皮切りに闘いが始まった。
さっと腰を落としキックをかわした黒杭は足払いを仕掛ける。
縄跳びを跳ぶようにひょいっとそれをかわした緒方はくるっと回ってローリングソバットを黒杭の顔面に決めた。
「おーーーーー!!!!」
大歓声に沸く観客席。
間髪いれず、キックの嵐を黒杭に浴びせる緒方。股間のタイツが内包物を抑えきれずゆさゆさと揺れる。
両腕でキックをガードする黒杭は、とうとうコーナーに追い詰められた。
「ぅおらっ!死ねーっ!」
緒方が信じられない跳躍力で宙に浮かんだかと思うと、次の瞬間豪快なドロップキックが黒杭の顔面に炸裂した。
黒杭の首がコーナーポストの上で大きくしなった。
「いいぞーっ!緒方ー!」「やっちまえー!」歓声がひときわ大きくなる。
緒方は黒杭の髪を掴み頭部を腕でロックした。そしてそのまま高速ブレーンバスターでリングに叩きつけた。
緒方の動きが速い。山での特訓は緒方を野生動物に近付けていた。
再び跳躍する緒方。
仰向けに倒れる黒杭の視界で緒方の姿がトップライトに溶け、猛烈な勢いで再び光の中から現れた。
ニードロップが黒杭の首に落とされていた。
冷徹にエグい攻撃を続ける緒方。その目は憎悪の炎に燃えていた。

「いいぞ!緒方さん!その調子!」
フェンスの外で大岩がゲキを飛ばす。
隣に立つ長谷部は厳しい顔でリングを睨んでいる。
(油断するなよ・・・・相手は怪物だ。)
車椅子でVIP席から観戦する権田もまた、固い表情を崩していなかった。
「あいつには少しもダメージになってないぞ。緒方、もっと非情になれ!」
車椅子から立ち上がらんばかりの権田を新垣が必死に止めている。

長谷部や権田の心配は、緒方にとって百も承知だった。
技が決まりすぎる。自分が攻めていながらも黒杭の余裕を感じて、緒方に焦りが生じ始めていた。
(なにか企んでいる・・・・・)
ブラックパイルの卑劣なやり口には散々な目にあってきた。
リング外を警戒する緒方。不破と暗黒仮面がフェンスの外に立っている。何か特別な動きは確認できない。
長谷部、大岩、客席の権田達、そしてその反対側のVIP席を視界にとらえた緒方の胸の内で爆発が起きた。
(大悟・・・!)
朝倉大悟が黒杭組長と並んで試合を見ている。
(そっち側にいるんだな・・・・・・・)
緒方の怒りがメラメラと燃え上がる。
黒杭に馬乗りになるとその顔面に拳を狂ったように打ちつけた。
「キサマは絶対許さねぇっ!!!!」
パンチの雨あられを両腕でガードしていた黒杭が、不意にブリッジの体制をとった。
その速さは尋常ではなかった。決して軽くはない緒方の体が前のめりに倒れる。
すかさず回転して立ちあがる緒方。振りかえった瞬間、思い掌底が緒方の胸にめり込んだ。
緒方の体はロープまで吹っ飛ばされ、大きくしなったロープは外側のフェンスにまで到達した。
ガシャーン!
フェンスにしこたま体を打ちつけられた緒方は、ロープの反動で跳ね返された。
待ち受けていたのは黒杭の膝だった。
鍛えあげられた腹筋にのめり込むひざ蹴り。
「ぐふっ・・・・」
胃の内容物が逆流し緒方の口から溢れる。
リングに這いつくばる緒方。
「聞くところによると、貴様は俺の遺伝子に学ぶため山籠りをしたそうじゃないか。」
黒杭のブーツが緒方の頭を踏みつけた。
「まったくの無駄だったようだな。失望したよ。もうちょっとはマシかと思っていた。」
ぐりぐりと頭を踏みつけられた緒方は、まだ立ち上がれなかった。
「さっさと終わらせよう。大悟も貴様の情けない姿を見てもつまらないだろうしな。」
「な、馴れ馴れしくよぶんじゃねぇ。」
「おやおや、この期に及んでまだ彼氏気取りか?大悟はとっくに俺の専用穴だぞ。」
黒杭のエルボードロップが背骨に落とされた。
「ぐはっ・・・・・・」
「ちなみに、外の連中は何もしないから安心しろ。貴様など俺一人で充分だ。」
黒杭は緒方の髪を掴んで無理やり立ちあがらせ、真っ逆さまに担ぎあげるとファルコンアローに緒方をマットに叩きつけた。
掴まれたタイツが腰骨のはるか上部まで引っ張られ、緒方の陰毛がはみ出している。
その状態でしばらく間を置き、緒方に屈辱を味あわせる黒杭。
地下プロレスではしょっちゅうチンポを出してるとは言え、このような状態で相手に陰部を晒されるのはやはり屈辱的だ。
「さて、貴様の最後の残虐ショーを客に見てもらおうじゃないか。」
黒杭は緒方の両足を抱えるとジャイアントスイングの要領でフェンスに叩きつけた。
ガシャーン!鋼鉄製の金網に緒方の皮膚が切り割かれる。
黒杭は足を持ったまま、コーナーを中心角にした反対の面に緒方を叩きつける。
ガシャーンッ!
地獄のスイングが何往復も繰り返された。
緒方はもはや頭部のガードさえとれず、その両腕はぶらーんと宙を泳いでいる。
上半身がみるみる血まみれになっていく。
「や、やめろーっ!」「殺す気か!」
客席から怒号が飛び交う。
「ふん・・・・」
黒杭は血まみれの緒方の体をリング中央に投げ捨てた。
「これくらいで終わりにはできないよな。スタア緒方さんの最期の試合だからな。特別サービスをしなきゃ。」
大の字に倒れ、虫の息の緒方。なんとか首をあげると、血に染まった視界に黒杭が見える。
黒杭は迷彩服のベルトを外していた。
上着のシャツを脱ぐと、まさに鋼の肉体が露わになった。
程よく日焼けしたその肉体は、男なら誰もが目を惹かれるであろう凶器のような体だった。
そして、迷彩ズボンが足元にストンと落ちた。
その下半身は・・・・
会場にいる全ての者の股間に衝撃を走らせたに違いない。
光沢のある薄い生地の漆黒のビキニタイツ。
その股間の盛り上がりはなんと形容したらいいだろう。
エロそのもの、人間の欲望を凝縮したようなモッコリだった・・・・・
ズボンを脱ぎ捨てた黒杭がゆっくりと緒方に向かって歩いてくる。
芸術作品とは違う、隠微を纏ったその肉体。
「グチャグチャにするぜ・・・・」
黒杭は緒方の股間を踏みつけた。
「半勃ちか?今にフル勃起で逝かせてやるからな。」
黒杭の逞しくエロいケツがVIP席から見える。
朝倉は胸が張り裂けそうになりながらリングの情景を見守っていた。
(大凱、もうやめてくれ・・・・・)
緒方は黒杭の異形の遺伝子に屈してしまうのか・・・
地下プロレスは暗黒社会に落ちてしまうのか・・・・
絶望の影が、嵐の気配も届かない地下深くの空間に充満し始めていた・・・・








レスラーズ・ハイ⑳生き残る雄、敗れ去る雄

「さて、どう料理するかな。」
黒杭は血ダルマの緒方の髪を掴んで立ち上がらせると、右手のひらを握って開きを繰り返し、チョーク・クローのアピールを観客に見せつける。
「あぶないぞーっ逃げろー!」「緒方ー!がんばれー!」
観客の声援もむなしく、鉄の爪が緒方の首に食い込んだ。
「うごっ・・・・」
緒方の気道が酸素を求めて絶望的な呻きを漏らす。
さらに黒杭は緒方の股間を左手でむんずと掴む。
玉潰しクローだ。
「があぁっ!」
緒方の目がカッと見開かれ、全身が苦痛から逃れようと暴れるが、黒杭の両腕は微動だにしない。
「うおらっ!」
黒杭はその体勢のままなんと緒方の体を持ち上げた。
金玉に、首に、自分の体重がかかり、さらなる苦しみが緒方を襲った。
「玉潰すぞ、ヒーロー気取りさんよ、おら、もっと泣け!」
「んぐぅ・・・・!」
緒方の体をボロ雑巾のように引き千切ろうとするかのような黒杭のケツは、ぐっと力が入り逞しい大臀筋が生命力を漲らせて躍動していた。
そのケツをフェンスの外から見た長谷部は言葉を失っていた。
(なんてエロケツなんだ・・・・!?尋常じゃない。こいつは性の悪魔だ・・・・。緒方・・・・生きて帰ってきてくれ…・・!)
金玉が万力で圧せられるような痛みに意識を失いそうになっていた緒方は、ふいに体の自由を感じた。
すると次の瞬間には即頭部に凄まじい衝撃を感じてリングに吹っ飛ばされていた。
黒杭のハイキックが炸裂したのだ。
「失神しそうになるのの早えよ。もっと楽しませろよ。」
タイツの食い込みを直しながら黒杭が近付いてくる。パツンッとタイツのゴムがケツに小気味よく鳴る。
「貪り尽くすぜ。」
ニードロップが赤いタイツの股間に落とされた。
「ぐおぉおおお・・・・」
黒杭は膝をそのまま股間に押しつけたまま、緒方の両肩をマットに抑えつけた。
「いい面だ。だが、お前の雄の臭いは俺を不快にさせる。排除したくなる。」
緒方を残虐な目で見降ろす黒杭の顔が、胸の上にゆっくりと降ろされた。
「んふああ!」
なんと黒杭は緒方の乳首に吸いついたのだ。
超絶技巧の舌技が小さなつぼみを解きほぐしていく。
「ああああ、やめろ・・・・」
あまりの快楽に緒方の股間がムクムクと隆起してくる。すると・・・
「ぎゃあっ!」
突如歯を立てた黒杭の口が乳首を噛み切らんばからに暴れ始めた。
股間の膝にも力が込められる。
「がああああああああ!!!!!」
リングで絶叫する緒方に観客たちも言葉を失い、会場は静まり返っていた。
「緒方さん、しっかり!」
大岩の声が聞こえる。
だが、乳首と金玉に加えられる凄まじい激痛が、緒方の意識を再び彼方に追いやろうとしていた。
ついに乳首から血が噴き出した。
こいつは本当に俺の乳首を噛みちぎる気だ・・・・
そう悟った時、緒方の股間がじんわりと温かくなった。
緒方は失禁していた。
異変に気付いた黒杭が顔を上げる。
「ふははは!ヒーロー気取りさんがションベン漏らしたか!なんてザマだ!ふはははは・・・・!」
口元から血を滴らせた黒杭の嘲笑が響き渡った。

「むう・・・・・」
VIP席の権田が顔を真っ赤にして唇を引き結んでいる。
自らも黒杭に失禁の辱めを味わされた屈辱が呼び起こされたのだろう。
「望・・・・・・」
膝の上で固く拳を握り震えている権田に、新垣がそっと手を添える。

黒杭は立ち上がると、リングに水たまりを広げている緒方を見下ろした。
「もっと辱めてやるぜ。」
黒杭はタイツの脇から自らの男根を取り出した。
観衆の目にさらされる黒杭のそれは、半勃起の状態ながら堂々たる重量感をもって目にする者を圧倒した。
「ふん」
ケツの筋肉に力が込められると、黒タイツから覗く大蛇の口から透明の液体がほとばしった。
緒方は黒杭の放尿シャワーに全身を打たれながら、大の字にダウンするのみだ。
額と乳首の傷にションベンがしみる。
とうとう尿浴びの憂き目にあわされたヒーローを目の当たりにし、観客は絶望的な敗北の予感に飲み込まれていた。
これまで数々の強敵を倒し続けてきた正義の赤タイツは、今や自らの小便と仇敵の放尿でくたくたに股間に張り付いている。
「さて・・・・マーキングも済んだことだし、獣の凌辱を見せてやるかな。ションベンにまみれたSEXは俺も初めてだ。大悟ともやってない。」
黒杭の一言に緒方の死にかけていた闘争心が反応した。
「大悟・・・・・!?」

ライディーン竜崎は実は叶わぬ恋に一生を捧げていたのよ。彼はあの必殺技を編み出すために憎しみをパワーにえていたと言われているわ。あの技を出すたびに射精していたのはそのためよ・・・・

山での特訓の際に3教官の一人、モスグリーンのオネエが言っていたことが思い出された。
(ライディーン、あんたは誰の幻影を追っていたんだ・・・・俺は・・・・俺は・・・・!)
ゆらゆらと立ち上る小便の湯気の中、地下プロレスのヒーローが立ち上がった。
「緒方・・・・!信じられない・・・・!」
長谷部が涙目の目をリングに向ける。
「緒方ー!!!!いいぞー!!!!」「地下プロレスを守ってくれー!!!!」
会場が割れんばかりの声援の渦と化した。
尿の滴を滴らせた筋肉の塊が黒杭に突進した。
不意を突かれた黒杭の太い首にラリアットが叩き込まれた。
背後のロープに倒れ込んだ黒杭が跳ね返ったところにひざ蹴り。
鋼の腹筋に魂の膝がのめり込む。
「ぐぇぼっ・・・げほっ・・・・!」
胃液が逆流した黒杭がせき込む。
「野郎・・・やってくれるじゃねえか・・・・」
「お前は許さない。言っただろ!」
小便まみれの筋肉野郎の死闘が始まった。
互いのプライドを賭け、雄力を賭け、信じる者の期待を背負い、2匹の獣はぶつかりあった。
緒方の赤タイツと黒杭の黒タイツは小便で体にピタッと張り付き、いつの間にかフル勃起していたふたりの股間をいやらしく盛り上げている。
ケツへの食い込みは直されることなく、精力の源のような双璧の谷間に刺激を送り続けている。
緒方が黒杭をコーナーポストに叩きつける。
黒杭の額が割れ血が噴き出す。
緒方は黒杭の腰を持ち上げるとロープ最上段で黒杭の背中に密着した。
小便と汗がぬらぬらと筋肉同士の潤滑油となる。
緒方は黒いタイツを荒々しく捲りあげると自分のチンポも取り出し、黒杭の穴にあてがった。
「お前の親父の技を味わって見やがれ!」
「な、なんだと・・・・!?」
赤いタイツの脇から出た緒方の野太いモノが、黒杭を串刺しにしていく。
「んおおおお!!!!!」
「お前、ケツ処女か?締まりがいいじゃねえか!」
ついに完全挿入された緒方のチンポ。
黒杭は目を白黒させて口をパクパクしている。
「終わりにしようぜ〝お坊ちゃん〟」
チンポとケツで結合された筋肉塊がポスト最上段から跳んだ!
「ライディーン・スペシャル!!!!」
結合したままのバックドロップ。
緒方はブリッジの姿勢を取らない。
高く飛ぶと、真っ逆さまにリング中央に落ちて行った。
ドゴォーン!!!!!!
黒杭の頭がリング中央の固い部分に打ちつけられた。
緒方の男根はより深く黒杭のケツを刺し貫いた。
どぴゅぴゅっ!!!!!
情念の超絶技が確かな手ごたえを持って炸裂した瞬間、緒方は黒杭の中で激しく射精した。
「これが・・・これがライディーン竜崎の必殺技・・・・・!!?」
長谷部は神々しくさえ見えるリングの情景に、呆然としていた。
鋼鉄製のフェンスの内側で、赤いタイツのレスラーが立ち上がった。
いまだ雄々しくそそり立つ男根をタイツにしまうと、めくれ上がった黒杭のタイツを直した。
敗者への礼を示したのだった。タイツ越しに、緒方の精液がにじみだす。
黒杭は失神して、大量に射精しているのであろう。うつ伏せに倒れたままピクリとも動かない。
緒方は両腕を高く掲げた。
うおーっ!!!!!
大歓声が会場を埋め尽くした。
緒方はVIP席をまっすぐに見据えた。
朝倉大悟が目を真っ赤にして緒方を見返していた。
(大悟・・・・)
ふたりはやり直すことができるだろうか・・・?
緒方はそんなことを考えながらふと、隣の黒杭組長に目を遣った。
組長は微笑んでいた。
(・・・・・・!?)
嫌な予感に振りむくと、黒杭大凱が立っていた。
額から血を滴らせ、憎悪みなぎる獣の目で緒方を睨んでいる。
「よくもこの俺に中出ししてくれたな。」
「な、なんだと・・・・!?」
股間を見ると黒タイツは相変わらずギンギンに膨らんでいたが、射精の気配は感じられない。
「逝かなかったのか!?」
「お前ごときに俺の父の技は受け継がれない。中途半端なマネで終わるだけだ。」
黒杭のエルボーが緒方の顎に叩きつけられた。
ゴキッ!一瞬視界が白くなった緒方は膝から崩れ落ちた。
素早く背後に回った黒杭は緒方を持ち上げると自分の背中に逆さに担ぎあげ、手足をロックした。
リバース・ゴリー・スペシャルだ。
「死ね!緒方!食らえ!ブラック・ディスティニー!!!!」
黒杭はそのまま跳躍し開脚ジャンプすると、自らの臀部をリングに激しく叩きつけた。
メジャー団体のレスラーの必殺技、ブルー・ディスティニーのリバース残虐バージョンだ。
緒方の頭部がリングにしたたかに打ちつけられる。
「ぐはっ・・・・」
緒方の額の傷が再び開き、血しぶきが飛び散る。
黒杭はそのまま立ち上がると2発目のブラック・ディスティニーを叩き込む。
黒杭が腕をほどくと、緒方はぐたっとリングに伸びてしまった。
うつ伏せに倒れる緒方のタイツを掴み立ち上がらせる黒杭。
タイツが一層激しくケツに食い込み、褌状態の緒方。
ケツへの刺激が、一度果てた男根を再びいきり立たせ始める。
「元気が残ってるじゃないか?褒めてやるぞ。」
黒杭は膝立ちの緒方の背後で、大きく両腕を広げてアピールする。
そして、悪魔のチョークスリーパーが緒方の首に大蛇が巻きつくように決まってしまった。
「ぐぐぅ・・・・」
緒方は必死で逃れようとするが、黒杭の太い腕はびくともしない。
呼吸が完全に止まり、緒方の視界は霞んでいった。
「おっとまだまだ、自分だけ昇天してもらっちゃ困るぜ。」
一旦腕の力を緩めると、黒杭はタイツからいきり立ったチンポを取り出した。
最高潮に勃起した黒杭の男根は、赤黒い血管が太く浮き上がり、信じられない大きさと扇情的な形状で、隠微な粘液にぬらぬらと光沢を放っていた。
黒杭はその人間凶器の先端を、緒方のケツにタイツの上からあてがった。
そしてそのままゆっくりとケツ穴に向けて挿入し始めたのだ。
「グゥアーッ!!!!」
黒杭のチンポが緒方のケツをメリメリとこじ開けていく。
タイツの生地が、ケツ穴に吸い込まれてゆく。
タイツの前も引っ張られる形となり、緒方の勃起チンポが一層くっきりとタイツに浮かび上がり、もはやその赤黒い色が透けて見えそうなほどだ。
「うりゃっ!!!」
「ぐわっ!!!」
ついに黒杭の亀頭がタイツを突き破り、緒方のケツの深淵にぶち込まれた。
あまりの衝撃的な刺激に緒方は射精した。
タイツの薄い生地で濾過された精液が、噴水のように溢れだしている。
2度目の射精にもかかわらず、大量のザーメンを放出した緒方は、瀕死の状態だった。
「俺もイかせてもらうぜ。」
黒杭は再びスリーパーに力を込めると、腰を猛烈なスピードでピストン運動し始めた。
「あぎぅぁあおあああおおお!!!!!!」
絶叫する緒方。
「なんというピストンだ。緒方のケツが破壊されてしまう・・・・・!」
長谷部が金網に張り付いて固唾をのんでいる。
「うっ!」
黒杭が果てた。
大量の白濁液が挿入されたままのケツ穴からあふれ出している。
「まだまだ!!」
黒杭のピストンは止まらない。
「はぁはぁ・・・・・」
黒杭の息も上がり始めている。欲望に我を忘れた獣のようにケツを貪る。
腰を打ちつけるたびにその逞しいケツの割れ目から緒方のザーメンが溢れだす。
緒方は中出しされた感覚をケツの奥でしっかりと受け、強い雄に征服された屈辱感で、またしてもいきり立たせていた。
黒杭の逞しい腕に首を決められ、口からは泡をふきだし始めている。
目が寄ってきた。

オ・ガ・タ!オ・ガ・タ!オ・ガ・タ!・・・・・・・

観客席からの悲痛なコールが聞こえる。
フェンスの外に必死でゲキを飛ばしている長谷部と大岩。地下プロレスラーたち。
反対側のコーナーには暗黒仮面と不破、桐谷も見える。
VIP席にいるのは権田か?身を乗り出している。新垣が止めている。
こっちのVIP席は・・・黒杭組長。むかつくジジイだ。その隣には・・・・その隣は・・・・

オ・ガ・タ!オ・ガ・タ!オ・ガ・タ!オ・ガ・タ!オ・ガ・タ!オ・ガ・タ!

ああ皆が俺を応援している。俺は勝たなければ・・・・・俺は負けるわけには・・・・・・
「終わりだ、緒方大輔・・・・・ううっ!」
黒杭の2度目が緒方のケツの内で爆発した。
前立腺で逆ビッグ・バンが起きたように全てがケツに吸い込まれ、またケツを中心に全ての世界が構築された。
「うあああああおおおおおおおおおぅおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
絶叫とともに緒方は三度の射精をした。
壊れた噴水のようにザーメンが吹きあがる。
緒方の目が完全に白眼になり、口からは泡を吹いている。
両腕がダラ~ンと垂れ下がった。


緒方は失神した・・・・・・





緒方は敗けた・・・・・・





黒杭は乱暴にチンポをケツから引き抜くと緒方を放り捨てた。
大の字に倒れる緒方の顔を踏みつけると、両腕を上げ勝利のポーズをとった。

鋼鉄製のフェンスが静かに天井に上がっていった・・・・・・・



つづく
次回最終回




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プロフィール

washigo

Author:washigo
プロレス、競パン、逞しくてエロい男が大好きな野郎です!
俺の妄想世界にお付き合いのほど、よろしくお願いします!

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