俺はマッスル縦山。
大学3年生。プロレス研究会に所属し、校内チャンピオンの座についている。
今日は、他大学の同期生、宿敵スコーピオン須崎との因縁の対戦だ。
おれは未だ須崎に一勝もしていない。
高校レスリングでインターハイ出場経験もある俺にとってそれは屈辱以外の何者でもなかった。
俺は卒業後はプロの門を叩くつもりだ。
奴は在学中に必ず倒さなければならない相手だった。
今季の学園祭が最後のチャンス。
俺は絶対奴に勝つ!
運命のゴングが鳴った。
一進一退の攻防が続く。
プロも顔負けの迫力ある試合展開に、面白半分で見物に来ていた学生たちも固唾を飲む。
須崎の動きが鈍くなった。スタミナ切れか?
明らかに俺が押している。
俺のチョップが唸りを上げて須崎の胸に食い込む。
「ぅおりゃ!」
「ふんぐぅ・・」須崎が苦痛に呻く。
もともと持久力もテクニックも俺の方が数段上なのだ。
何故今まで奴に勝てなかったのか。それは・・・
俺の猛攻にたまらずリング下に逃げる須崎。
場外戦に持ち込むつもりだろうがその手には乗らないぜ。
そう、奴にあって俺にないもの、それはヒールの才能だった。
場外に出たら最後、たちまち須崎のペースになってしまう。
場外で散々痛めつけられリング上でトドメを刺される、というのがこれまでの敗戦パターンだった。
「少しはお利口さんになったんだな。」
リング下で不敵な笑みを浮かべる須崎。
「お前が降りて来ないんだったら代わりにこいつを痛めつけちゃおう。」
そう言うと須崎はセコンドについていた俺の後輩の向井康介を突然羽交い絞めにした。
「康介!」
康介は須崎の腕から逃れようともがくが、奴のパワーにかなうはずもない。
「ふふ・・こいつはただの後輩じゃないんだろ。お前の可愛い可愛い後輩君なんだよな?」
「な、なにを・・・!?」
衝撃で膝が抜けそうになった。何故こいつは俺と康介の関係を知っているんだ?!
康介はプロレス研究会の1年後輩。ずっと気になる存在だったが、今年の夏スパーリング中に康介が欲情しているのを感じた俺は、そのままマットの上で後輩を抱いたのだった。それ以来かけがえのない相方となった。
「先輩、俺のことはいいから降りてこないでください!このままリングアウトで勝ちましょう!」
「康介・・・」
猛ダッシュで後輩を助けに行きたいが、それでは須崎の罠にまんまと陥ってしまうことになる・・・!
「これではどうだ。」
須崎は羽交い絞めにしていた右手を解き、康介の
急所を握り潰しにかかった。
「ああああああああああああああ!」
康介の絶叫が響く。
「おらおら、こいつの金玉潰しちゃうよー。」
「康介!」
考える間もなく俺はロープを飛び越え須崎に殴りかかっていた。
「ほら来た。」
奴は康介を放り出すと、突進してきた俺の股間にカウンターで蹴りをかました。
「ぐはぁっ!!」
目から火花が散るほどの急所の痛みに、俺はたまらずその場にうずくまった。
須崎が俺の髪を掴んで無理やり立たせ、エプロンに額を叩きつけた。
「
いいモノ持ってるじゃねえか。これであの可愛い坊やを悦ばせてるのか?んん~?」
エプロンサイドに貼り付けられ海老反りになる俺の股間の膨らみをいやらしく撫でる須崎。
卑劣なセクハラ攻撃に俺の怒りはマックスレベルで燃え上がった。
にもかかわらず、
男根が反応していることに戸惑いを覚えていた。
試合に集中できない俺を、須崎はタイツを掴んでリングに戻す。
奴の猛攻が始まった・・・
思い打撃技が俺の筋肉を破壊してゆく。
さらに奴は要所要所で俺の男根を刺激し、的確に闘志を萎えさせていった。
豪快に投げっぱなしジャーマンをくらい、俺の視界は霞んでいった。
リング上で大の字になる俺。
今、フォールされたら返せねぇ・・・・
絶望的な
敗北の予感が頭をよぎる・・・・
「こんなんじゃ終わらせねぇよ。」
俺を無理矢理起こすと、須崎は頭上高く俺を担ぎ上げた。
この体勢は・・・!!
これまで何人もの学生レスラーを病院送りにし、禁じ手となっていたあの技・・!
スコーピオン・バスター!!
奴の狙いは試合に勝つことじゃない。俺をツブすことだったのだ。
「これをくらったら、
俺は終わりだ・・・」
しかしもはや逃れる力は残っていない・・・
「死ねーっ!!!マッスル縦山ーーーっ!!!」
残忍なパワーが俺をマットに叩きつけようとしていた。
ドゴーンッ!!!脳天からマットに叩きつけられ、体中がバラバラになるような衝撃が俺を襲った。
敗けた・・・須崎を倒すため、青春の全てをかけてきたといっても過言ではない。
でも勝てなかった・・・
絶望感の中で、俺は須崎の強さに、雄としての圧倒的な力の差に、自身の雄が反応していることに気付いていたいた。
無様にダウンしている俺を見下ろすように須崎が仁王立ちになる。
やつの股間の逞しい盛り上がりを見て俺は・・・
「ああっ・・・」
トコロテンで射精してしまった。
強い雄に打ち負かされるということが、こんなにも激烈な快感を呼び覚ますとは・・・
俺は清々しいとさえ思える陶酔の中で意識を失おうとしていた・・・
その時、
「先輩!縦山先輩!立ってください!まだ諦めちゃだめだ!立ち上がってください!」
康介の声が聞こえる!
俺のために金玉の痛みに耐えようとしてくれた康介の声が!
そして・・・
「マッスル!マッスル!」
会場に響くのは俺を応援しに来てくれた大学の仲間達の声だ!
俺は我に返った。
「そうだ、こんなところで敗けるわけにはいかねぇ。俺にはプロレスラーになるっていう夢があるんだ!」
もはや少しの力も残っていないと思われたおれの肉体にギンギンと力がみなぎってくる。
(これが友情パワーか・・・!?)
俺はついに立ち上がった。
呆然とするスコーピオン須崎に、渾身の力を込めて必殺技を放った。
マッスル・ボンバー!!!
ダウンした須崎に間髪入れずフォールだ!
「ワン、トゥー・・・」
「スリー!!!」
割れんばかりの歓声が上がる!
俺はとうとう須崎を倒したんだ・・・!
「先輩、やりましたね、先輩・・・・」
康介が泣いている。
俺の学生時代の集大成とも言える試合が終わった。
しかしこの勝利は、康介や仲間達に助けられて得た勝利だ。
リング上で射精させられた借りは必ず返す!
まだ勃起が収まらないショートタイツの股間を精子で白く光らせながら、
俺は固く誓った。
終わり
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