3人の競パン戦士が〝水の間〟の入り口に姿を現すと、地鳴りのような歓声が会場を揺るがした。
前布無しの競パンは三者三様のイチモツをくっきりと浮き立たせ、若干ハイレグ気味に穿いてもはみ出てしまうケツの割れ目が3人の下半身の逞しさを一層強調していた。
50メートルほど先に浮かぶリングには、緑色のスパッツ姿のイ・サンウが待ち受ける。
さらにその背後、50メートル先の黒杭側の入り口には、ロープで吊るされたレスキュー太助がぶら下がっていた。
「太助ーっ!」
藤堂の叫びにも反応しない太助は意識がないらしい。
巨大な100メートルプールの中央にリングが浮いているような構造の〝水の間〟。
向かい合った客席の上方には巨大スクリーンが設置され、おそらくコンピューター制御されている無数のカメラによって接写される映像が映し出されていた。
3人の競パン戦士の股間、ケツ、サンウの憎々し気な表情、太助のザーメンまみれのタイツなどが、克明に捉えられ観客に届けられる。
カーン!
唐突に試合開始のゴングが響き渡る。
謎の実況コンビ、五所川原とスモールアイアン・ヤマモトの声が当然のように映像に被ってきた。
「さあー、光VS闇の最終抗争も第三戦目となりました。
これまでレスキュー太助、ポリスマン向井と二人のレスラーが、ブラックパイルの刺客である玉砕坊主グドーと不破晃司によって血祭りにあげられ、陵辱されています。
圧倒的に不利な状況の中、光の戦士が背水の陣に臨みます。」
「今回の試合は、闇の戦士のトップである黒杭大凱の情夫であると噂されるイ・サンウがフィーチャーされているようですね。
彼の研ぎ澄まされた肉体はスイマーのようでもありますし、水中戦に長けていることが予測されます。
そして地下プロレスの原点ともいうべき競パン対決であるということも大注目の要素です。
さらに、グドーによって犯されまくったであろうレスキュー太助の救出というミッションが光の戦士に課せられているのも見どころでしょう。」
「あっ、3人が同時にプールに飛び込みました。
きれいな入水です。
華麗なフォームのクロールでリングにぐんぐん近づきて行きます。
權田、藤堂、桜井、皆泳ぎが達者なんですね~。」
「まあ、ある世代のホモにとって水泳は必須のたしなみでしたからね。
競パン見たさに、あるいは見せつけたいがためにプールに通ううちに泳ぎも上達するという。」
「なるほど~。
確かにブーメランパンツを人前に披露するという点で、プロレスと水泳は共通点があったのかもしれませんね。
今は昔といったほろ苦い話ではありますが。
あっ!
黒い水面から何かが突きでました!
海坊主かーっ!
このプールは妖怪が潜む魔の海域だったのかーっ!」
ザバーンッ!
盛大な水しぶきをあげて水中から出現したのはグドーだった。
「ぐははは!
やってきたか、哀れな生贄どもよ。
玉砕坊主グドー参上!」
クロールを止め、立ち泳ぎに移行した3人はグドーを取り囲むようにフォーメーションを組んだ。
足が全く底につかない。
少なくとも3メートルは水深があるようだ。
「出たな、生臭坊主!
太助のカタキをいまこそうってやる!」
藤堂の瞳が怒りで燃え上がる。
「俺たちの水泳愛を甘く見るなよ!」
桜井の叫びを合図にしたかのように3人が水中に姿を消す。
と、グドーの至近距離から太い足がにょっきりと出たかと思うと顔面を蹴り上げた。
「ぐぐっ!」
脚は3方向から出ていて、鼻、右耳、左後頭部を同時にキックされたグドーはたまらず呻いた。
水中から桜井の顔が出たかと思うとたちまち全身が現れ、下から桜井の足を乗せた藤堂の肩が姿を現す。
藤堂もそのまま上昇し、最後に権田の顔が現れ3連結タワーが完成した。
はるか上方から降ってくる桜井のドロップキックがグドーの顔面を直撃した。
巨大スクリーンのスローモーション映像で変形するグドーの顔面が映し出される。
光の戦士の人間離れした大技に観客は大いに沸いた。
「これはすごい!
まさに水を得た魚、競パンを得たホモ!
ウォーター・ボーイズ・マッチョ版とでも申しましょうか。
シンクロが実は水中の格闘技だったとは!
水面に現れては消える筋肉もりもりの下半身の艶めかしいことよ!
競パンのVゾーンの芸術的美しさに会場全体が狂喜しています!」
「ぬおーっ!」
鼻血を滴らせたグドーが水面からしぶきをあげて浮き上がった。
例の浮遊の術と言われるワイヤーアクションだ。
全身を現したグドーは白地に黒の唐草模様のビキニパンツだった。
筋肉塊を唯一覆う三角の布は、相変わらず鬼のように盛り上がっていた。
「小癪な奴らめ!
その煩悩に満ち満ちた玉をひとつ残らず握り潰してやるわ!」
空中からグドーがダイブする。
隕石が落ちた海面のように、一瞬水しぶきで何も見えなくなる。
水中カメラに切り替わった画面が巨大スクリーンに映し出される。
「あーっ、グドーとピンクの競パン、藤堂ですね、が激しく水中でパンツを掴み合っています。
まるで水球の試合のようですが、こちらは数段エロ度が高いぞ。
グドーは藤堂の股間を掴みにかかる。
それを嫌がる藤堂がグドーのパンツを掴む。
二人のケツにパンツがどんどん食い込んでいきます!」
「うーん、グドーのビキニはどうやらリゾートビキニですね。
リゾートビキニを競パンと呼ぶのかどうか長らく論争されてきましたが、競パンが廃れてしまった現代ではビキニ水着全体を競パンと呼ぶ傾向に落ち着きつつあるようですね~。」
「え・・・・っと、今、そんなことどうでもいいのでは・・・・・。
あ、ああっ!
グドーがついに、藤堂の競パンに手を突っ込んだーっ!
あーっ!玉を獲られたか!
グドーの必殺急所クローが藤堂の金玉を潰してしまうのかーっ!」
「ぐぼがぼっ!」
睾丸を力いっぱい握られた衝撃で、藤堂はほとんど溺れかけた。
グドーの右手は競パンに差し込まれ、直に金玉を握っている。
ぐりぐりっ
二つの玉が手の中で擦り合わされる。
「ぎぎゃおうっ」
藤堂の全身から力が抜け、水底へ沈んでいく。
ピンクの競パンを掴んで水面に引き上げたのは権田だった。
「藤堂!しっかりしろ!」
激しくせき込む藤堂。
「す、すまん・・・・助かったぜ・・・・」
二人の背後から海坊主の影が波しぶきをあげてのしかかる。
さらにその背後から坊主の首に腕を回したのは桜井だった。
「おいおい、玉を潰したいなら俺が相手をしてやるぜ!
それとも俺の金玉が怖いのか?え!?」
日本を代表する、いや、もはや世界屈指の金玉ファイター桜井勇治が玉砕坊主を挑発する。
「こいつは俺が相手をする!
權田さんたちは太助を頼みます!」
「おう!」
權田と藤堂は再びリングを目指して泳ぎだした。
グドーにスリーパーをかけていた桜井が肩を踏み台に水上に跳びあがった。
「俺の玉はそこんじょそこいらのとはワケが違うぜ!」
桜井はグドーの正面から股間を押し付ける形で顔面に足を巻き付けた。
ケツにあらかた食い込んだ青い競パンに、逞しい大殿筋が一層エロく映える。
桜井の金玉と竿が競パンごしにグドーの顔面に押し付けられる。
「ふんが・・・ぐぐ・・・なるほど・・・いいタマだ・・・・ふぐ・・・・・」
グドーが腹に力を込めたのが水中映像で確認できた。
「ふんぐ!」
グドーが大口をあけて思い切り息を吸い込んだ。
ダ○ソンの掃除機のような強力な吸引力で、桜井の金玉が競パンごとグドーの口に吸いこまれる。
「おああっ・・・」
突如睾丸を襲った未知の刺激に、桜井は思わず声を上げる。
「おうおっ・・・・!タ、タマが・・・引きちぎられる・・・・・!」
金玉そのものへの打撃に対して耐性を強化する鍛錬を積んだ桜井だったが、玉を身体から引っ張られる痛みには対応していなかった。
「ああああっ!!!!!ああ・・・・・」
ひときわ高い絶叫の後、桜井は脱力し水面に倒れていった。
桜井の股間はグドーのデカい口に咥えられ、両足が肩に乗っている。
上半身は水面に仰向けに浮いていた。
海坊主に金玉を食いちぎられる勇者のような桜井の姿が、巨大スクリーンに映し出される。
亀頭の形も顕わな青い競パンの膨らみが、逆に桜井の窮地を物語っていた。
リングに泳ぎ着いた藤堂と権田はイ・サンウと対峙していた。
文字通り水も滴る筋肉男。
濡れた競パンはモッコリを数百倍エロく見せ、ケツはまさに神っていた。
「ヤットタドリツイタネ。
フタリヲアイテシテモイインダケド、ボクガキョウミアルノハトウドウサンダケナンダヨネ。
テナワケデ、ゴンダサンニハベツノアイテヲヨウイシタヨ。」
サンウは指をパチッっと鳴らした。
すると上空の暗闇からゴンドラのようなものがするすると下りてきた。
そこに乗っていたのは真っ白い競パン(TYR 2016年)のマッチョだった。
「あ・・・・」
權田が驚きの声を漏らす。
朝倉大悟だった。
「な、なんと朝倉大悟が闇の戦士として登場だーっ!
これは意外すぎる展開!
黒杭大凱の専用穴を巡って反目し合っているはずの二人がタッグを組む!?
一体どういうことなのかーっ!?
そして玉を食いちぎられんとしている金玉ファイター桜井の運命は!
続きは次週!」
「次週って・・・・アンタ誰に向かって喋ってるんだ?」
つづく
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