「朝倉!目を覚ませ!お前がいる場所は黒杭じゃないはずだろ!」
突如闇の戦士として現れた朝倉大悟に、權田は激高した。
「権田さん、すまない。俺にはもう道を選ぶことは許されないんだ。」
と言うやいなや朝倉は俊敏な動きで權田にタックルした。
不意を突かれダウンした権田の眼に闘争心の炎が点火する。
「やるっていうんだな。解かった。それなら俺も遠慮はしねーぞ!」
雄を際立たせる黒と白の三角の布が対峙した。
「トウドウサン、アンタハジャマ。
サメジマクンノココロヲモテアソブクズ。
ボクハアンタヲハイジョスル。」
「鮫島・・・・・」
イ・サンウの敵対心剥きだしのオーラを警戒しながらも、藤堂の脳みそは高速で回転していた。
鮫島だって?
そういえばあいつは何処へ行ったんだ?
あいつも光の戦士のはずだろ?
深夜のスタジアムで犯されそうになって以来、鮫島に一度も会っていない藤堂。
心のどこかでそのことに安堵していた自分。
そして寂しく思っていた自分。
奴を目の前にした時、自分は果たして平常心でいられるのか?
「トオイメヲシテ、オモイダシテンジャネーヨ!」
サンウはプールに飛び込むとエプロンから藤堂の両足を掴んで引っ張った。
倒されてプールに引きずり込まれていく藤堂。
競パンのケツが瞬く間に捲れ上がった。
咄嗟にサードロープを掴み完全な水没は免れたものの、首から下は漆黒の水面の下だ。
サンウの姿は見えない。
水中で足が組まれていく感覚に続き、激痛が襲った。
「ぐわっ!」
「な、なんと水中四の字固めだーっ!
水中カメラがイ・サンウの常識外れの技を映し出しています!」
実況の声に客席情報の巨大スクリーンを見ると、緑のスパッツ水着が半魚人のようなサンウが、藤堂の脚を固めて激しく身体をくねらさている姿が映っていた。
「ぐぐっ・・・!」
サンウが水中で怪しく漂う様は、ウミヘビが獲物に巻き付いてじわじわと生命を奪っていく姿に見えた。
フィギュアフォーが固く締まり、骨が砕かれんばかりだ。
サードロープを掴む藤堂の腕から力が抜けていく。
「がぼぐぼ・・・・」
ついに藤堂の全身が黒い水面に消えた。
人間バキュームと化したグドーの口に金玉を吸い込まれた桜井の身体は脱力し、もはやこれまでかと誰もが思った。
「ふがが・・・ふぉまえのきんたむわを食いちゅぎってやる。」
桜井の股間を咥えたままのグドーが鼻息とともに嗜虐心を吐きだす。
水面に浮いた逞しい大胸筋を野獣の掌がむんずと掴む。
筋繊維の一本一本を断ち切るように揉みしだいていく。
破壊の動作に紛れて、野獣の指は驚くほど繊細なタッチで桜井の乳首を撫でる。
「おああ・・・」
新たな衝撃に桜井が僅かに呻く。
金玉と乳首、二か所の急所を同時に攻められ、青い競パンの股間はみるみる盛り上がっていった。
「あーっと!
桜井大ピンチ!
グドーの人間離れした睾丸フェラに加えてチェスト・クローに悶絶!
今にも射精してしまいそうなフル勃起です!
亀頭が競パンからはみ出してしまいそうですね~。」
「地下プロレスのルールではたとえ射精してもただちに敗けということにはなりませんが、消耗はさけられません。
なによりも一発出させられてしまうと、その後も快感の余韻から抜け出せなくなってしまうことが問題です。
つまり、相手に性的に従属してしまう心理が生まれてしまうということなんですね。」
「なるほど~。
もう好きにしてくれ状態になってしまうわけですね。
ここは桜井、なんとも踏ん張って欲しいところですが・・・・
状況はかなり厳しい!
レスキュー太助に続いて桜井勇治もまたグドーの性奴隷にされてしまうのか!?」
朦朧とした意識の中で、桜井の脳裏に浮かぶのは自らの〝玉遍歴〟だった。
ブッちゃんの店のリングで、ひとりデスマッチを演じて玉を潰される快感に溺れた日々。
ネットで集めた男どもに、思う存分急所を痛めつけさせた工事現場。
山の特訓場の3人のオネエ教官による、ありとあらゆる急所攻撃。
悶絶・昇天を繰り返し、桜井は生まれ変わった。
〝金玉ファイター〟に。
(そうだ・・・・俺は〝金玉ファイター〟なんだ・・・・)
桜井の睾丸が異様な熱を帯び始めた。
グドーの咥えた股間の辺りから、濡れた競パンが湯気を立てる。
「ふがが・・・ぬ、ぬわんだ・・・・・」
口内の異常な熱に慌てるグドー。
桜井の両目がかっと見開く。
「俺のタマを甘く見るなよ!」
桜井は素足をグドーの肩に当てがうと、思い切り踏ん張って股間を引き抜こうとした。
「ふがっ!」
そうはさせまいと前歯をかみしめようとするグドー。
歯の間から盛大に湯気が上がっている。
「ぐおーっ!」
鬼の形相で桜井が踏ん張る。
鍛え上げられた〝超金玉〟が野獣の牙をこじ開けていく。
負けじと口に力を入れるグドー。
歯が競パンを貫かんばかりに食い込んでいる。
「ぬおーっ!!!!」
高熱の睾丸がグドーの顎の圧迫をこじ開けていく。
金玉が上下の歯の間を分け入っていく。
途轍もない激痛が桜井の股間で爆発した。
「うおーっ!」
玉のような脂汗を噴きだたせた桜井の雄たけびとともにグドーの口から金玉が引き抜かれた。
「会場、割れんばかりの大歓声です!
〝水の間〟が光の戦士を応援する観客の歓喜の声に満たされています!
人間離れした口には人間を超えた金玉で!
桜井、まさに金玉ファイターの面目躍如だーっ!」
グドーの肩を踏み台に宙に跳ぶ桜井。
グドーの歯によって股間部分が破損したを青競パンを纏い、はち切れんばかりの筋肉野郎が華麗に舞う。
「うりゃっ!」
ほぼ垂直の角度でドロップキックがグドーの脳天に突き刺さる。
「ぐごごっ・・・」
黒いプールの水面に海坊主よろしく突き出るグドーの上半身が、青競パンのポセイドンによって成敗されている。
そんな光景が展開される水の間は観客の歓喜の声で満たされていた。
連続ドロップキックに翻弄されるグドーの顔面が怒りで真っ赤に変色するのが、巨大スクリーンに映し出される。
「おのれ!小癪な!」
グドーの巨体がザバーンと水しぶきを上げながら水面から浮き上がった。
「浮遊の術!」
白黒の唐草模様の競パンは濡れたことでエロさが凶暴化していた。
「インチキ坊主め、カラクリはバレバレなんだよ!」
桜井はひらりとグドーの両肩に立ち、見えないワイヤーを持つと振り子のように揺さぶり始めた。
「んぬ!よ、止せ!」
極細のワイヤーはグドーの身体をギリギリ支える強度しか無いのだった。
桜井の体重が加わり、そのうえ揺らされているのではひとたまりもない。
ぷちっと小さな音とともにワイヤーが切れた。
ドバシャーンッ!
盛大な水しぶきとともにグドーが落下した。
ワイヤーを片手で掴んだ桜井は宙に浮いたまま。
「太助の分までたっぷりお返しするぜ!」
水中に沈んだグドー目がけて、怒りの水神がジャンプした。
「とりゃーっ!」
突如水面から野太い腕が付きだした。
握られた拳が桜井の急所を直撃した。
「うぐっ・・・・」
青競パンの上から変形がわかる桜井の金玉。
拳は桜井の股間にに突き刺さったまま上昇し、グドーの上半身が再び水面に現れた。
「小僧、調子づくなよ!」
グドーが腕を下すと、桜井が落下してきた。
「お前の玉は必ず砕く!」
水面に仰向けで浮かんでいる桜井の髪を掴むと、再び宙に放り投げた。
落下してくる桜井の股間に、ジャンプしたグドーのスキンヘッドが直撃する。
「ぐはっ!」
「金玉ファイターだと?笑わせるなよ。俺が金玉処刑してやる!」
海坊主の宣言が水の間にこだました。
つづく
- 関連記事
-