不破の無精髭がゾリゾリと口から顎にかけて向井を撫でまわす。
タバコの味?クスリの匂い?
赤鉛筆でチェックがついた競馬新聞、野球選手の成績ランク、ワールドカップの出場国、スロットの押し目、新顔キャバ嬢・・・・
高速でスライドされる思考の断片が向井の心をざわつかせ、同時に慰める。
〝男らしい男〟
筋骨隆々、文武両道、勇猛果敢、質実剛健・・・・・・・
俺は男らしいだろ?
ゴツイ指先が乳首を摘み、撫でさすり、爪を立てる・・・・
男・・・・男・・・・オトコ・・・・・
お巡りさん、俺みたいなとことん堕ちた生き方が羨ましいんだろ・・・・・・・
こんなヤツ、ユウマのダチっぽくねーし・・・・・・
我慢汁で充分に湿ったタイツが、完全勃起の男根を摩擦する。
俺は男らしいか?
おらっ!チンポ固めだ!咥えろ!ぅおらっ!これが男なんだよ!ガリベンクン・・・・・・・
ああっ・・・・
本物の男は・・・・
「あーっ、なんということでしょう!
不破の意表を突いた接吻攻撃に、向井の身体が脱力していきます!
百戦錬磨の猛者と思われた向井、唇を奪われ戦意喪失とはとんだ純情ボーイだったのか!?
それとも不破のテクニックが極上すぎるのかー!?」
「うーむ、もしかしてこの二人、闘いを通じて妙な、と申しますか、歪んだ絆が生まれてしまったのかもしれません。
特に向井選手は自身のトラウマをほじくり返されてペースを乱されていましたし、おそらく同じように複雑な経歴を持つ不破選手と一種の化学反応を起こしたのかもしれませんね~。
ケミっちゃった?
ん~、まさしくポイント・オブ・ノー・リターンなのかもしれませんね~。」
「・・・あ・・・そ、そうですか。
ヤマモトさんの解説でした。
あーっと、向井の身体がのけぞるのけぞる!
アキナよりのけぞっているぞ!
キアヌか!?
あーっ!不破の手が向井の股間をまさぐっているーっ!
これはさすがの向井もついに陥落かーっ!?
極道VS国家機関の闘いがこんな形で終焉を迎えてしまうのかーっ!?」
膝立ちになった不破にバックブリーカーのような形でのけぞる向井。
髪は依然捕まれたまま。
野獣のごとき接吻に焦点を結んでいるのか定かでない眼。
不破の髪を掴んでいない手は、股間、乳首と向井の全身を荒々しく愛撫している。
向井ののネイビータイツにカウパーが股間全体に染みわたっているのは、ヌラヌラとした怪しい光沢が物語っている。
彫刻のような肉体が時々ビクッっと痙攣のように震える。
向井は反応していた。感じていた・・・・・
(いいぜ・・・・お巡りさん・・・・、そうだ・・・あんたらの本性は解かっているんだ・・・・・・)
不破のヤンキー白タイツの中で巨根が活性化していった。
「コージ、俺がレスリングを教えてやるよ。」
青い競パン姿の警官が、黒ビキニの不破に絡みつく。
執拗な密着は、互いの身体をこねくり回して一体化させたいかのようだ。
「勃起してるじゃないか、コージ・・・・。」
鼻息の荒い若い警官のモノもすでにガチガチに硬くなっているのは不破にも解かっていた。
「お巡りさん、レスリングってのは格闘技だろ?これって格闘技っぽくねーよ。」
拘置部屋の床に転がりながら不破が警官のバックを取る。
「俺もプロレス技は知ってるんだぜ。」
チョークスリーパーの格好をすると警官は喘いだ。
「ああっ・・・コージ・・・・・」
「おらっ、絞め落とすぞ、こらっ」
半笑いでちょっと首に巻いた腕に力を込める。
「あああ・・・・コージ・・・・・ああっ・・・・いいぜ・・・・絞めてくれ・・・・・」
反撃してくるかと思いきや、意外な反応に唖然とする不破。
(そういうことか・・・・)
不破は両足で警官の身体を挟み完璧な裸締めの体勢をとった。
スリーパーの片手を解き、警官の乳首を摘まんだ。
「んぬおおあっ!ああっ・・・ああああ・・・・コージ!コージィー・・・・・・!」
情けない声で絶叫する警官に、不破は心底嫌悪を感じた。
(なんだよ、コイツ、中坊を裸にしてレスリングとか言っちゃって、立派に児童虐待ってやつだろこれは。
いっつも俺に説教するくせによ。
人の道とか言ってよ。
ただのエロ野郎じゃんか。
試合中に射精?
そんな奴がどうしてケーサツに入れるんだよ?)
マイナーな性癖によるトラウマを抱える男が、昼間は清廉潔白な顔をして警官を務める。
一枚皮を剥げば獲物を血走った眼で探す野獣なのに。
中学生とは言え、立派に男の身体を持っていた不破はその後5秒で警官を落とした。
青競パンの股間はザーメンが染み出し、サイドの白いラインとバランスが取れていて可笑しかった。
(大人は汚い・・・・)
だが自分自身も決して純粋無垢な子供ではないことを不破はしっかり自覚していた。
勃起男根が黒ビキニを盛大に盛り上げていたから。
屋の中のきれいごとを成り立たせるためのダークサイド。
誰しも心に闇を抱えている。
この事実は、不破に元気を与えていた。
(面白れー。これは利用できる。)
己や他人の〝闇〟を理解し慈しむのではなく、そこに付け入り貪り尽くす道が不破にはハッキリと見えた。
「ありがとうよ、お巡りさん。」
呆けた面で失神する警官をまたいで立った不破は、小便をするかのように顔射した。
しばらくその場で余韻を味わい、やがて不破はいそいそと現状復帰に勤しんだ。
その警官は依願退職するまで不破の性奴隷となった。
不破が唇を外した。
膵液の筋が糸を引く。
「あのさ・・・・
おっきな会社の社長さんとか重役さんはドMが多いんだってさ。
日頃、たくさんの部下とか世間に対してS役を演じなきゃならないだろ。
ストレスたまっちゃうよね。
でもさ、俺は思うんだよね。
きっとドMになっちゃう社長さんはある種の罪悪感を抱えてるんだよ。
デカい組織を統率するためには結局鬼にならなきゃならない。
ニンピニンだよ。
奴らは心のどっかでそれを自覚して悔やんでるんだ。
だから自分に戒めを与えるのさ。
だけどー、都合のいい懺悔だよね。
だって結局気持ちよくなっちゃうわけでしょー?
まあもともと懺悔ってオナニーなんだけどさ。」
口を半開きにしたまま、向井の眼球がゆっくりと動く。
「ケーサツの連中も、屈折した奴が多いよね。
俺はよーっく知ってるんだ。
普段正義面してる奴は大変だよ。
だって人間って汚いモノなのに、そうじゃないフリをしなきゃならない。
そりゃ歪むわな。
グニャグニャに歪む。
グニャグニャの心をカチカチのチンコでバランスとるんだ。
あー、オレまた上手いコト言っちゃったよ。」
ガシッ!
それまでブランと脱力していた向井の腕が不破の顎を掴んだ。
「ふ・ざ・け・る・な・よーーーー!!!!」
マトリクスの逆再生のように鋼の両足が立ち上がる。
最大限に勃起した男根と同じように、全身の筋肉が膨張し血管が浮き上がる。
「貴様らのような開き直った根性が世の中を醜くする。
なぜ心の闇に立ち向かわない!?
どうして心の光を消してしまうんだ!?」
まるで後光が差したような典型的ヒーローの姿は、向井に一番似合っていた。
「ふがが・・・、ひでーぬわー。
ヘドゥオグワドゥエソー。」
すかさず股間を蹴ろうとする不破。
さっと身を翻し後方に跳ぶ向井。
紺と白のショートタイツをそれぞれフル勃起でモッコリさせた二人が、改めて対峙した。
「おーっ不破選手の接吻攻撃に昇天するかと思われた向井選手、復活です!
正義のヒーローの姿に会場の皆さんもやんやの喝采です!」
「巨大モニターでの観戦というのも逆によかったかもしれませんね。
両者の勃起具合も接写でよりよくわかりますし、断片的にですが会話も聞こえましたね。
この二人、相当面倒くさい感じですけど。」
「さー、お互いの心の内を肉体で告白しあった中二病のような両選手。
勝負を決するのはどちらの悩みが深いのかにかかっているのでしょうか!?
勃起は最高潮!
〝花の間〟に充満する男臭が巨大モニターを通じて臭ってきそうだぞーっ!」
「上等じゃねえか!
やってやるぜ!
このヘボお巡りが!
俺のキスでヘロヘロにおっ勃ててやがったくせによ!」
「この世に悪がある限り、俺のチンポは勃ち上がる!
俺の名は、ポリスマン向井!」
ビシッっとポーズを決めた向井の耳には、カメラの向こうの大観衆の声援が聞こえていた。
両コーナーから二人の屈強な男がダッシュする。
「ぅおらっ!!!」
「どりゃーっ!!!」
バスッ!!!!
リング中央でぶつかり合うラリアット。
みしっ
互いの筋肉が軋む音が聞こえそうだ。
すかさず背後のロープに走る両者。
ゴムッ!!!
反動を付けた相打ちラリアットが首にめり込む。
二人はすぐさまロープに走る。
下半身の激しい動きに勃起男根がタイツの中で揺れ亀頭が摩擦される。
(極道め・・・・俺を苛む卑近な男性性・・・知性を揺るがす野性の力・・・・俺は断固否定する!)
(犬が・・・・バックの威光に己の汚さを隠す犬めが・・・・・正体を暴いてやる!)
繰り返されるラリアット。
二人の首から胸元が真っ赤に変色していく。
二匹の野獣が再びコーナーを背に対角線上に立った。
「そろそろ決着を付けようじゃないか。お巡りよ。」
「望むところだ。」
リングシューズがキュッと音を立て、マットを蹴った。
二人はリング中央近くで跳躍した。
ガシーンッ!!!!
フライングラリアットがリングの真ん中で激突した。
筋肉と筋肉が互いを抉り破壊し融合し、そして跳ね返した。
バーンッ!!!!!
二人は同時にリングに墜落し仰向けにダウンして動かなくなった。
花の間に静寂が訪れた。
「こ、これは・・・・・!?
両者ダウンしたまま大の字です!
壮絶なラリアットの打ち合いの末、ダブル・ノックアウトかーっ!
光と闇の闘いに、ドローはあり得るのか!?
いや!あり得ません!
こんな結末は地下プロレスでは認められないぞーっ!
立て!立つんだ!
どちらでもいいから立ってくれー!!!!」
「会場は向井押しがほとんどですからね~。
皆固唾を呑んで向井が立ち上がるのを待っていると思いますよ。」
「そ、そうです!
レスキュー太助の惨敗、拉致で事実上すでに一本取られている〝光の戦士〟勢。
ポリスマン向井がここで敗けるわけにはいかないですよね。
会場の思いが向井に届いているか!?
あっ!
あーっ、両者がもぞもぞと動き出しましたーっ!
先に立つのはどっちだーっ!?」
お、俺は正義のヒーローだ・・・・・
ヤク中のチンピラに敗けるわけがない。
そう、俺のケツにはPOLICEMAN。
鍛え上げたケツに一番映える配置でプリントされているんだ。
どうだ・・・俺のこの雄姿・・・・・
惚れ惚れするだろ?
俺は・・・・ポリスマ・・・ン・・・む・・か、い・・・・・・・・
「ああーーーーーっ!!!!
立ち上がった向井ーっ!
崩れ落ちましたーっ!!!
うつ伏せにダウンしています!
そしてーっ!
おーっ!?
不破が・・・・!
不破が立ち上がったーっ!!!
不破晃司、白タイツにゴールドのラインが輝いています!
あーっ今、ダウンする向井にゆっくりと歩み寄っていきます。
こ、これはーっ!?」
向井は、気が付くとコーナーポストの上に座らされていた。
脚の間に不破の顔があった。
「お巡り、終わらせてやるぜ。」
不破は向井の脚を抱えると股間に顔を埋めた。
タイツ越しに睾丸を軽く噛んでくる。
「おあ・・・・」
勃起したままの男根がビクッと反応する。
「ヒヒッ、まだ感じてんじゃねえか。いいぞ。」
腰を抱えられた体制のまま担ぎ上げられる向井。
脱出しなければ・・・
だが全身が鈍痛に沈み、動かすこともままならない。
不破が向井のタイツの両サイドを掴んだ。
「ラストライドだ・・・・楽しめ。」
タイツがグッと引っ張り上げられケツに食い込む。
肛門が刺激され男根の先から我慢汁がじゅるっと漏れる。
「どりゃーっ!!!」
不破の雄たけびとともにタイツが一層引っ張り上げられ、肛門を引き裂かんばかりにタイツが食い込んだ。
「ああっ・・・!」
思わず声を上げた向井は、次の瞬間後頭部をマットに叩き付けられていた。
「あーっ完璧に極まったーっ!
ラストライド式パワーボム!!!
向井の逞しい大殿筋があらかた晒されたあげく、マットに叩き付けられたーっ!!!
おっとーっ!向井失神か!
ほとんど白目を向いているように見えます!
ついに・・・ついに勝負ありかーっ!
光と闇の闘いは、またしても闇側に軍配が上がりました!
ああっ!
ああああ!
不破が失神した向井を再びラストライドかー!
これは危険だーっ!
向井のタイツのがほとんどひも状で、POLICEMANのロゴが見えない!
無敵のヒーローが処刑されてしまうーっ!
向井ーっ
ああああっ!
不破が向井を担いだままコーナーのロープを上っています!
な、なんと、コーナー最上段から雪崩式ラストライドを敢行しようというのか!?
これはいくらなんでも危険です。
向井はもう失神しているのに・・・・
不破~!やめてくれーっ!
向井ーっ!向井ーーーーっ!」
不破がコーナーロープを蹴り、二人の身体が宙に浮いた。
お巡りさん、感じてんだろ?
チンポ固めって知ってるか?
お前は警察代表の地下レスラーだ。
光の戦士として・・・・・
ゴリオは変態なんだぜ・・・・・
ユウマの逞しい腋毛・・・・
股間の饐えた匂い・・・・
やべ、出ちゃった・・・・
コイツ勃ってるぜ・・・・
男らしい身体・・・・
俺は男らしい・・・・?
ああっ・・・
ケツに・・・
ケツにタイツが・・・・
食い込んでいる・・・・・
おあ・・・・
俺は・・・
ポリスマン向井・・・・・
ゴスーンッ!!!!
凄まじい衝撃とともに、向井の意識が途絶えた。
「さーて、一発カマしてっと・・・・」
リング下から取り出した注射器で薬物を注入した不破の眼がギラギラと光る。
「お待ちかねのチンポ固めから行こうかね・・・・・」
つづく
- 関連記事
-