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レスラーズ・ハイⅡ ⑤

THPWのレスラーを次々とリングに沈めた極悪プロレス集団ブラックパイルに雪辱を果たすため、
〝光の戦士〟として5人のレスラーが選抜された。

地下プロレスの神と言われたライディーン竜崎の団体でかつてエースだったフラッシュ藤堂。
地上のインディー団体で活躍しつつも、真の男のプロレスに目覚めてしまった〝金玉ファイター〟桜井勇治。
警察庁で極秘裏に「創り上げられた」究極の地下レスラー、ポリスマン向井。
地域振興に青春の炎を燃やす熱血消防隊員レスキュー太助。
ライディーン竜崎の元で藤堂と鎬を削り、そして打ち負かした天才ヒール、鮫島周星。

彼ら5人すべてが申し分ないプロレスの技量を持ち、また、プロレスによって「男」を燃え滾らせることができる真の地下ファイターだった。
だが同時に5人すべてがそれぞれの情欲に葛藤を抱えていた。
「逆説的じゃが、それでこそ地下プロレスラーといえるのじゃ。」
竜崎老人はそう言った。
神と謳われた現役時代の自分が、情念の炎に焼かれんとしていたことを想い出していたのかもしれない。
自らの「性癖」を極め、そして克服するために別々に特訓に励んでいた5人にいよいよ招集がかかった。
明日、THPWの地下施設に〝光の戦士〟がついに顔を揃えることになる。
地下道場の汗や体液が染みついたリングのマットをしみじみと眺め、
THPWの支配人、長谷部は感慨に浸っていた。



「どんだけデカいんだよ、ここは・・・・!?」
藤堂猛はTHPWの広大な地下施設をさまよっていた。
つい昨日までこの巨大地下建造物の一室で、変態医師ラーによる〝特訓〟の日々を送っていた藤堂。
「ん~、だ~いぶ良くなってきたかな~。タケちゃんの~、トラウマは~、結構根深かったから~、心配だったけど~、ま~あこれなら何とかなるんじゃな~い。」
ラーの治療とは、対鮫島戦における藤堂のやられのビデオを強制的に見せながら、実際に性感帯を刺激(それはあらゆる手段が用いられた)し、藤堂の鮫島に対するPTSDを緩和していこうというものだった。
ようするに、どんな鼻血モノのエロ動画だって何度も見れば飽きてくるよね、といった理論(?)に基づいていたわけだ。
数か月に及ぶエロバージョンのルドビコ療法を経て、藤堂の身体中に取り付けられたバイタル測定機器はラーの思惑通りの数値を示すようになってきた。
「ま~ね~、恋する男の色気は大切だけど~、タケちゃんは極端?だからね~。ちょっと中和しとかないとね~。」
キューブリック的な世界を現実に体験してしまった藤堂は、それでもどこか清々しい気分になっていた。
(鮫島とは、これから仲間としてやってかなきゃならないしな・・・・・)
ふいに、あの屋外球場リングで自らの肛門に逞しい亀頭が触れた瞬間がフラッシュバックした。
「いかんいかん・・・・!」
藤堂は激しく頭を振ると、廊下に設置された施設内マップの解読に集中した。
「一体ここはどこなんだよ?えーっと現在地現在地・・・・・」
かちゃっ・・・
ドアが開く音に振り向くと、背後の入り口が開いている。
誰かいるかな、道を聞こう、と藤堂は室内を覗いてみた。
そこは天井の高いかなり広い空間で、手前にはベンチやバーベルが整然と置かれている。
つん、と鼻孔に刺さってくる独特の臭気は藤堂にはお馴染みの臭いだ。
たくさんの男達が流した夥しい量の体液が染みついた場所。
暗い室内に目が慣れてくると、空間の中央に荘厳な雰囲気を纏ったシルエットが浮かび上がってきた。
リングだ。
(ここは道場か・・・・。どっちの?THPWか?それとも・・・・黒杭・・・?)
人気のない道場をリングまで歩みを進めると、四角いマットの中央に何か置かれているのが見えた。
(あれはなんだ・・・・?布・・・・?)
藤堂は靴を脱ぐとリングに上がった。
廊下の明かりがようやく届くリングで、その布のようなものが何故か藤堂の心を騒めかせる。
(ま、まさか・・・・!?)
拾い上げたその〝布〟は微妙に湿り気を帯びていた。
指に伝わる感触は藤堂にとっては知り尽くしたものだった。
(パセリさんの作ったタイツ・・・・。い、一体誰の・・・・!?)
指が震える、
この使用後未洗濯と思われるショートタイツが誰のものなのか、藤堂は知っているような気がしていた。
廊下からの乏しい光にタイツをかざしてみる。
ライト・パープルの艶めかしい光沢が藤堂の全身を硬直させる。
「こ、こ、これは・・・・・・!?」
(鮫島のタイツだ・・・・・・・!!!)
全身がぶるぶると震え始める。
動悸が急激に高まり、どくどくと脈打つ血流の音が自分でも聞こえるようだ。
男根は極限まで膨張し、ケツの奥がヒクヒクと蠢きはじめる。
理性は彼方に吹っ飛び、瞳孔開きまくりでハァハァと喘ぐ藤堂は、発情した犬となり果てていた。
タイツのVラインから視線を外すことができない。
(さ、鮫島のマラに密着していた部分・・・・)
屋外リングで藤堂を痛めつけ尽くし、トドメにケツを犯さんと最高潮に勃起した男根を包んでいた紫の生地。
獰猛な雄が、生贄の雄を征服する儀式のために選んだ装束。
鮫島の男として完璧なショートタイツ姿が脳裏に蘇る。
次の瞬間、藤堂はその小さな紫の布に顔を埋めていた。
「ああっ・・・・んぐぅお・・・・んはぁ・・・・・・ぉあああぅおああっ・・・・・・」
がくっと膝から崩れる藤堂。
左手でタイツを顔に押し付け、右手はジャージの腰紐を緩めんともどかしく動かされる。
ようやく右手がジャージに差し込まれ、ケツ割れを引き裂かんといきり勃つ己の男根に到達した。
「ぉあああっ!鮫島・・・・・!んふおあ・・・・・・・」
タイツから立ち上る男の臭い。
男の本質の謎を解き明かす鍵となる微粒子が、空気を媒体として藤堂を狂わせる。
ラーの〝治療〟がたった一枚の三角の布によって灰燼に帰した瞬間だった。
そこに、
「藤堂ーっ!自分を取り戻せ!これは罠だ!」
「・・・・・・・!?」
突如響く怒声に、我に返る藤堂。
廊下の入り口から、オレンジのショートタイツを穿いた男が駆け込んでくる。
レスキュー太助だった。



「アレ・・・チョットソウテイガイ?」
藤堂が痴態を晒すリングを映し出したモニターを見ていたイ・サンウは振り返った。
背中に密着して荒い息をついている男が舌打ちした。
「チッ・・・!もうちょっとで藤堂が俺のパンツでイクとこだったのに・・・・」
サンウに張り付いていたのは鮫島だった。
「ソレヲミナガラサメジマクンモドウジニイキタカッタノニネ。クスクス・・・・」
「う、うるせえ!」
サンウの豊満な生ケツに押さえつけられた鮫島の勃起男根が心なしかちょっと萎える。
「フウ・・・。チョットキュウケイシヨウカ。」
サンウは鮫島の勃起マラを挟んでいたケツタブの筋肉を緩め、革張りのソファに身を沈めた。
「マアドウナルカ、ナリユキヲミテミヨウヨ。」
「ふん・・・」
鮫島は不満そうに鼻を鳴らすとマルボロに火をつけた。



「藤堂、目を覚ませ。今までの苦労を無駄にする気か?」
「た、太助・・・・、どうしてここに?」
「長谷部さんのとこに行こうとして迷ったんだ。そしたらお前の喘ぎ声が聞こえてきて。」
「そ、そうか・・・・。すまん、恥ずかしい所を見せちまったな。」
「それよりここを離れるぞ。これは絶対ワナだ。お前を陥れるためのな。」
藤堂は頷いた。
確かに人気のないリングに置かれた鮫島のタイツは、藤堂を釣るためのエサとして最適だった。
藤堂は、ついさっきまで手にしていた禁断の布に目をやった。
無造作に投げ捨てられたショートタイツが、魔性の誘いを囁いている。
(もう一度、もう一度だけ臭いを嗅ぎたい・・・・・)
藤堂の目が異様な光を放ち始める。
「ほらほら、さっさとリングを下りろよ。後でおれのパンツ嗅がせてやるから。」
太助は藤堂の背中を押してロープをくぐらせた。
リングを下りた藤堂は、改めて太助を振り返った。
「お前、なんでそんな恰好してるんだ?」
オレンジのショートタイツにニーパッド、リングシューズまで着けている。おまけに頭にはトレードマークの白いハチマキだ。
まんま試合の装いでリングに立っている。
「いや、俺、ずっと山で特訓受けてたんだけど、あそこショートタイツ以外着ちゃダメなんだよ。それで普通の服は全部家に置いてきちゃってな。今、送ってもらってるとこなん・・・・」
ガチャーン!!!!!
すさまじい轟音を立て、藤堂とリング上の太助の間に鋼鉄の格子が下りてきた。
「おわっ!!」
突然の衝撃に藤堂は尻餅をついて倒れた。
ガシャーン!ガシャーン!ガシャーン!
たちまちリングの四方がケージで囲まれてしまった。
「な、なんだよ!!!!」
まさに檻に捕らわれてしまった太助。
「ふはははは・・・・・・・!!!!」
不気味な笑い声が天井から降ってくる。
藤堂と太助が呆気に取られていると、上空の暗闇から・・・・・!

なんと、僧侶がひらりと降り立った。

「活殺自在、極楽往生、この道を、力強く、前へ。」
シャンッ!と錫杖を鳴らし、笠を被った法衣姿の大男が言った。
「玉砕坊主、グドー参上。」
スティールケージの内側で謎の坊主と太助が睨み合う。
藤堂には、カーンッ!というゴングの幻聴が聞こえていた・・・・



つづく
















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異形に挑むPageTop修行時代のエロさ

Comment

ついに復活ですね。
色んなストーリーを妄想しまくってビンビンです。
私のプロレスの聖典。

ダンディさんへ

聖典ですか・・・・(汗)
ありがとうございます!
まあエロ本の代わりにはなれるよう頑張ります(笑)

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