『山の特訓場』で、桜井勇治は〝生きる意味〟を噛みしめていた。
玉潰しのめくるめく快感と激烈な刺激に酔いしれる日々だった。
「アンタ金玉ジャンキーなんだって~?」
特訓場に着いた日、モスグリーンのショートタイツを履いた男が桜井の股間の膨らみを品定めするように見ながら聞いた。
男の名は緑谷。あと二人いる〝教官〟はそれぞれ黄桜、白波といった。
黄色いショートタイツが黄桜、白波はもちろん白ショートタイツだ。
到底本名とは思えなかったが桜井は黙って受け入れた。
「よく金玉は鍛えられないって言うだろ?そんなことは無いぜ。」
白波が自分の股間を揉みながら桜井に言った。
「地下には昔、〝金玉役〟ってのがいてな、その名の通り急所攻撃を専門で受けるレスラーのことだがこいつらのキンタマは強かった!毎週のように玉潰しに遭っても次の日にはピンピンしてたもんな。」
黄桜は目を瞑って昔を懐かしんでいる。
「ただアンタの使命は金玉役になることじゃないわよね。黒杭の奴らに勝たなきゃいけない。」
緑谷が桜井の目を真っ直ぐに見据える。
「玉が潰れる快感に酔いしれているだけじゃダメ。猛烈な痛みをパワーに変えるしたたかな金玉を作らなきゃ。」
ガシっと後ろから桜井の股間が掴まれる。
「覚悟はできてるか?兄ちゃん?」
白波がクルミの実をもてあそぶように桜井の睾丸をぐりぐりと摩り付ける。
「うっ・・・・・」
巧みな玉いじりの手つきに、桜井は思わず呻いた。
「おっ?感度いいね。勃ってきたぜ。」
黄桜がタイツ越しに亀頭を撫でさする。
「ふふん・・・・久々にキレイメの男子だし、可愛がり甲斐がありそうね。」
正面に立つ緑谷は桜井の乳首を摘みながら舌舐めずりだ。
不意に乳首に強い力が加えられた。
「アンタのキンタマ、預かったわよ。」
そうして桜井の金玉修業が始まった。
この山にはいたるところにリングがあった。
原生林そのままのジャングルのような森に設置されたリングで、桜井は3vs1のスパーリングでクタクタになっていた。
「おいおい、こんなオッサンたち相手に息が上がってるようじゃ地下で勝つことなんて一生無理だぞ!」
(オッサン・・・・って言ってもな・・・・・あんたら〝超オッサン〟すぎるんだよ・・・・・・)
顔こそ中年から壮年にさしかかるくたびれ具合を見せていても、その身体は3人とも見事な張りを保った素晴らしい筋肉をしている。
たとえ1対1で闘ったとしても勝てるかどうかというところなのに、3人相手では桜井に勝ち目は無かった。
しかも連中の急所攻撃は実に的確で想像力に富んでいた。
桜井は勃起しっぱなしで、快感に喘ぎながら無駄に体力を消耗していった。
「よがってるばっかじゃ勝てねえぞ!」
「やり返してこいよコラ!」
ふらふらの桜井を容赦なく足蹴りにする黄桜と白波。
二人の股間もタイツ越しにくっきりと勃起が覗える
黄桜の、股間をむんずと掴んだゴッチ式パイルドライバーで、桜井は大の字に伸びてしまった。
すると
「あ~ああ~~!!!!」
という雄叫びとともに、密林の奥からロープにぶら下がった緑谷が現れた。
振り子のように宙を飛んできたモスグリーンタイツは、リングの真上でロープを離し、ひらりと宙返りをした。
ニー・ドロップの姿勢を整えた緑谷が、はるか上空から落ちてきた。
モスグリーンのタイツが勃起で異様に膨らんでいるのを桜井が認めた次の瞬間、
バスッ!!!!
「うごああっ!!!!!!」
ターザン式ニー・ドロップが桜井の急所を直撃していた。
「おあっ・・・・・うお・・・・・」
たまらず射精する桜井。
腫れあがった金玉がひしゃげるほど突き刺さった膝の上で、フル勃起していた陰茎から雄汁が噴きだす。
青いタイツ越しにもかかわらず顔まで届くほど激しい射精だった。
「ふん、まだまだ鍛え方が足りないわね・・・・・」
すでに果ててしまった桜井の睾丸から膝を上げようともせず、緑谷はさらにぐりぐりと急所を膝頭で踏みにじった。
「おあう・・・・・ぐお・・・・・・」
投げ出された四肢を痙攣させながら、白眼を剥いた桜井の射精がいつまでも続いた・・・・
『月刊ブラックパイル』1月号より
注目の一戦、朝倉大悟vsイ・サンウがBPPWのリングでついに実現した。
元THPWの朝倉はバズーカ緒方の恋人とも噂されていたが、BP軍とのタッグ・マッチにおいて最強の巨根メガバズーカ黒杭に串刺しにされ、その快感が忘れられず黒杭の下に走ったと言われている。
対するイ・サンウは黒杭が米国地下プロレス時代に寵愛していたというコリアン・レスラーで、昨年末に来日した際にはそのザ・ハンリュウ・スター的な端正なマスクと筋肉美が大いに話題になった。
この二人の対決は、いわばメガバズーカ黒杭の〝専用穴〟を決める闘いであると考える地下プロレス・ファンは多い。
久しぶりのBP軍vsTHPW残留軍ではないカードに、会場の熱気が普段に増して盛り上がっていると筆者は感じた。
まずは朝倉大悟の入場。
長らく試合から遠ざかっていた朝倉だが、ビューティフル・ボディは健在だった。黒杭に捨てられないようトレーニングを欠かさなかったのかななどと勘繰ってしまう。
必殺技『起承転ケツ』の使い手として鳴らした豊満な尻には唸らざるを得ない迫力があった。
久々の純白ショートタイツに熱狂的な声援を送る古くからの会員の姿が多く見られた。
スタイリッシュな照明演出でクールに登場したのはイ・サンウ。
漆黒のフード付きガウンでひらりとリング・インする様は、実にエレガント。
ガウンが脱ぎ棄てられ、ゴールドのショートタイツと剃刀のように研ぎ澄まされた肉体、甘いマスクがスポットライトに照らしだされた時には、会場中から漏れるため息が聞こえてきそうだった。
サンウがBPPWのリングに上がるのはこれが初めてであり、ファンはそのファイトスタイルについてなんの予備知識もない状態だった。
筆者の独自取材よると、甘いマスクからは想像できないパワーファイターであるというのだが・・・・。
正直、バルキーマッチョというよりは巷で流行りの細マッチョのような体躯であるサンウからは、力技で押すレスラーのイメージを思い浮かべることができなかった。
今夜の試合を見るまでは・・・・・・
序盤から飛ばす朝倉の技を、サンウはことごとく跳ね返していた。
そう、文字通り跳ね返していたのだ。
テクニシャンとして知られる朝倉だが、そのパワーにも一定の評価があった。
体つきから言えば、瞬発力重視のトレーニングで筋肉を肥大させている朝倉の方が、むしろパワー系のレスラーに見えるだろう。
その朝倉に全く技を決めさせないサンウ。
最初、筆者はそれがサンウのスピードが為せるものだと思っていた。
ところがそれが徐々に揺らぎ始め、ついには決定的な場面に遭遇することになったのだ。
試合開始から6分20秒、技が決まらず焦りが見えだした朝倉に、サンウの強烈なボディーブローが炸裂する。
身体を折り曲げダウンする朝倉。
胃液が逆流したのか口から濁った液体が溢れだしている。
涙目の朝倉の髪を掴み、無理矢理上を向かせるサンウ。
このような場面にもサンウの類い稀なパワーを垣間見ることができる。
サンウが朝倉の顔に跨った。
〝跨った〟としか言いようがない。
言うなればスタンディングのレッグシザースが朝倉の顔を捕えたということだろうか。
サンウの大腿筋が、繊維の一本一本が確認できそうなほど収縮した。
朝倉の顔の上部半分がサンウの尻からはみ出している。
艶めかしい金色の膨らみが目を引く前方からは、朝倉の首から下の身体が投げ出されている。
この技は・・・・
独自取材の過程で幾度か耳にしたあの技なのか!?
『ソウル締め』
米地下プロでこの技によってKOされたというレスラーは少なくないという。
確かに危険な技だ・・・・・
両足と股間に顔半分を圧迫され、呼吸もままならない状態だろう。
しかも技をかけられている方は、首に全体重がかかる非情に不自然な体勢を強いられることになる。
朝倉は両手足をバタつかせ必死に逃れようとするが、サンウの下肢はびくともしない。
ここで、筆者はサンウの尻が身体の他の部位に比べて妙に肉付きがいいことに気がついた。
体脂肪率がひとケタなのは間違いないサンウの身体の中で、尻だけがとても肉感的なのだ。
朝倉の口と鼻を隙間なく塞ぐのに、その肉尻はうってつけに感じられた。
朝倉の手足の動きが緩慢になっていく。
(落ちるな・・・・・)
筆者でなくともそう思った者は多いだろう。
だが、『ソウル締め』の恐ろしさはこんなものではなかったのだ。
サンウは、放っておいても意識を失うだろう哀れな朝倉にトドメをささずにはおれなかったようだ。
サンウが跳躍した・・・・!
先程も触れたが、朝倉の姿勢はただでさえ不自然で危険な状態だった。
そこに、跳躍による上下の動きが加わり、サンウが着地した時の首にかかる衝撃は想像を絶するものであったに違いない。
(朝倉の首がへし折られた・・・・!)
筆者は咄嗟にそう思った。
なんという残虐な技、『ソウル締め』・・・・・・
ピクピクと痙攣する身体によって、朝倉が存命であることがかろうじて知れた。
サンウが足を開くと白眼を剥いた朝倉の頭がリングに落ちた。
金色の股間から朝倉の涎が糸を引く。
完全失神した朝倉の顔を踏みつけ、ガッツポーズをとるでもなく淡々とした様子のサンウ。
古くからのファンはあの強かった朝倉がズタボロにされる姿を見て大きなショックを受けただろう。
イ・サンウと朝倉大悟の『メガバズーカ専用穴争奪戦』は衝撃的に幕を下ろした。
この後の三角関係がどのような様相を見せるかは推して知るべしである。
イ・サンウ○ 12分48秒 ソウル締めによるKO 朝倉大吾×
文責 地下太郎
つづく
- 関連記事
-
顔の目の前が股間というソウル締め、食らってみたいです笑