カニス・ループス。
「狼」の名を持つマスクマンは一世一代の大勝負に臨まんとしていた。
敗けた者がマスクを脱ぐ。
つまり、この試合を落としたマスクマンは死ぬのだ。
極度の緊張と高揚、様々な想いが、この日のために新調した真紅のタイツの中に収斂する。
熱り勃つ男根!
闘う意味、生きる意味、全てはこの猛烈なリビドー故なのだ。
それは宿敵「トラウマ」にとっても同じこと。
カニスを責め苛む奴の気迫は尋常ではなかった。
早くもカニスのマスクは引き千切られた。
容赦のないラフ攻撃に頭部から出血。
急激に狭まる視界は血が眼に入るからなのか、それとも意識が遠くなっていっているためなのか!?
反失神・半勃起状態のカニスに勝目がないことは誰の眼にも明らかだった。
間もなくボロボロのマスクが引き剥がされ、ビキニパンツのガチムチ男が果てる姿を目にするだろう。
だが、カニスの闘志の炎は消えてはいなかった・・・・・!
プロレスラーの「強さ」とは、相手の技を全て受けてからが真価だという。
満身創痍でありながら驚異的な復活を遂げたカニスは、真のプロレスラーであり、真の「男」だったのだ。
しかしながら、トラウマとて並みの男ではない。
赤タイツの怒涛の責めに驚くべき粘りをみせる。
一向に陥落しない宿敵の打たれ強さに、カニスは狂気に陥っていく・・・
鬼気迫る赤タイツ。
血に染まるリング。
ついにドクターがリング・イン。
「これは・・・・!
トラウマはもう試合続行不可能だ・・・・うおっ!」
ドクターを突き飛ばしたのはカニスだった。
「男の闘いを邪魔するな!」
トラウマにトドメを刺そうとしたカニスだったが・・・・
一瞬の隙にトラウマが信じられない動きを見せた!
「カニスよ!どっちが真の男か勝負だ!」
トラウマ渾身の足固めがカニスの脚を粉砕するがごとく絞られた。
「ぐぎい・・・・・っ!」
関節が、いや、骨そのものが軋んでいるのがわかる。
激痛を通り越し、もはや「命」を握りつぶされるかのような感覚が全身を貫く。
「カニス!ギブアップか!?もう無理だ!タップしろっ!」
レフェリーが耳元で叫ぶ。
「ノー!ぜっっっってぇ『ノー』だ!ぎぐおぅっ!!!!」
「カニス!終わりだーっ!」
トラウマがガッチリとホールドした脚を盛大に揺さぶった。
あ、脚が・・・・折れる・・・・・
マットにマラが・・・・・擦れる・・・・・
「おおっ・・・・ががああっ・・・・おおおっ・・・・あおおぅお・・・・・」
タイツ越しの亀頭への刺激は巨大な波となってカニスの全人格を飲み込んだ。
そして・・・・・
快感の濁流・・・・・
決壊した理性・・・・・
あれほど恐れていた敗北だったのに・・・・・
この充足感は一体・・・・
究極の屈辱に耐えられぬ男の精神が、逃避の幻を見せるのか。
幻でもかまうまい。
こんなに気持ちいいのだから・・・・
そしてマスクマンとしてのカニスは死に、
新たなエロレスラーとして蘇るのだった。
↓動画はこちら↓
なぜか昭和臭
- 関連記事
-