「ここは勝負の場ではない。
・・・・・・息子よ・・・・・・」
競パンの老人が言った。
顔はお爺さんなのに身体はバルクマッチョ。
そのアンバランスさが卑猥だ。
この筋肉翁はもちろんライディーン竜崎だ。
「・・・・
アンタに息子と呼ばれるのは居心地が悪いな。
この俺が、手淫の残滓と狂人から生れ出たことを想い出してしまう。
そっちこそ、まさかショートタイツに擦りつけたザーメンが俺のような悪魔になるとは思っていなかっただろうに。」
黒杭大凱は、瀕死の緒方から視線を3人の爺さんに移した。
「確かに。
ワシの遺伝子は強靭な筋肉の情報は伝えても、精神までは遺せなかったようじゃ。
おぬしがあの獣人から生まれたのは6月6日午前6時。
ワシが黒杭からおぬしの存在を初めて聞かされた日じゃ。
あの時、現実から逃げたことを悔やんでも悔やみきれない。」
「オウ!メーン!
俺を殺したかったかのような口ぶりだな。
酷い親父だぜ。
だが俺は生まれた。
現代のダミアン・ソーンとして。」
ウエットスーツの老人のひとりが前に出る。
「大凱、お前は最強だ。
緒方大輔など指一本で殺すことが出来る。
儂は、あの時竜崎のタイツをキ○ガイの性器に擦りつけたことを誇りに思っている。
儂の行動が無ければお前はこの世に存在しなかったのだからな。
あれはまさに天啓だったのだ。」
「天啓なものか。
奈落が仕掛けた罠にまんまと引っかかっただけだ。」
もう一人のウェットスーツが吐き捨てる。
言い争う二人は黒杭嘉右衛門と鷲号だ。
「このクタバリゾコナイが、儂に懸想しておったくせに何を・・・・」
「若いころの私のなんと愚かなことよ!
タイムマシンに乗って殴り飛ばしに行きたいわ。」
竜崎も参戦する。
「ワシは警告したんじゃ。
黒杭は信用できんぞ、と。
それをおまえは聞かなかったから・・・」
ジジイどもがガヤガヤと口論を始めた。
「ウルセーッ!」
黒杭大凱の一喝で老人たちが静かになる。
「アンタら何しに来たんだ?
俺はコイツを犯すとこだったのに、邪魔しに来たならさっさと何処かへ行ってくれ。」
ウホン…
竜崎が咳払いして場を整えようとした。
「そうじゃった。
ワシらは大事なことを伝えにきたのじゃ。
THPWと黒杭の決着は、しっかり会員の前で着けるべきだとな。
ここはカメラも入っておらん。」
黒杭組長も口をはさむ。
「大凱、もはやブラックパイルは勝利したも同然だ。
国も会員リストさえ渡せば、この地下施設は儂らに譲ると言っている。
緒方を完璧に葬って手ごめにするのは客の前でやるのが望ましい。
一種の儀式(セレモニー)としてな。」
黒杭大凱は目を伏せ、黙り込んだ。
そして振り返り、うつ伏せに倒れる緒方を見つめた。
エンジの競パンが捲れ上がり食い込んだケツがヒクヒクと痙攣している。
「・・・・・・
解かったぜ。
お楽しみは待たされた方が喜びが増幅するものだしな。
だが、今俺のいきり立ったコレは処理しとかないとな。」
黒杭大凱は反失神状態の緒方の顔に馬乗りになった。
そして黒い生地が透けそうなほど盛り上がった股間を、顔面に押し付けた。
「緒方ーっ!
これが俺の雄汁の味だ!
想い出したかーっ!
うおおっ!」
野太い喘ぎ声と共に、黒い競パンから真っ白な粘液が噴きだした。
「おぅらーっ!
いっぱい出たぜ!
俺様の雄汁で顔面パックとは、お前は贅沢な奴だな、おい!」
黒杭のザーメンが緒方の失神顔になすり付けられた。
黒杭大凱が部屋を去った跡、警察の潜水班が緒方と朝倉と権田を、水中から搬出した。
両腕を折られた朝倉はそのまま地上の病院に直行した。
水上では、藤堂と桜井も助け出され、吊り下げられていた太助も救出された。
「・・・
大輔・・・・
死なないでくれ・・・・・
アイツは・・・・
黒杭は・・・・もう・・・・
に、人間じゃないんだ・・・・・・
大輔・・・・・だ・い・す・け・・・・・・・」
救急車の中で意識を取り戻した朝倉大悟は、うわごとを呟きつづけた。
そして、ギンギンにテントを張った白い競パンの中に大量に射精すると、再び失神した。
白い精子、白い競パン、白い救急車・・・・・
真っ白な世界の中で、赤色灯だけが血のような赤を鳴り響かせながら、都会の夜を疾走していった。
つづく
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