昭和プロレスの華はなんといっても外人レスラーとの闘争だ。
プロレスの本場から続々と投入される大男達を相手に死闘を繰り広げる日本男児の雄姿に、お茶の間はたちまち虜となった。
悪役を割り当てられるのが常の外人レスラー達ではあったが、その人柄はとても気さくで、日本人レスラーと個人的に交流する者も多かったそうだ。
そんなレスラーは本国からショートタイツをお土産に持ってくることがよくあった。
日本製のタイツは作りこそ丁寧で丈夫だったが、デザインが垢抜けないのは否めなかったという。
生地が薄く、サイドが細めでハイレグ・カットの米国製タイツは、プロレスラーの鍛え上げた躰を最高に格好良く見せてくれる。
だが、当時の日本人レスラーの中には、このタイツの履き心地に戸惑いを覚える者が少なくなかったようだ。
「こ、こんなにモノがくっきり見えていいのか・・・・」
日本には、古来より褌というある意味究極の下穿きがある。
日本男児としては褌より遥かに覆う部分が多いショートタイツは余裕だったはずなのに・・・・
米国製のショートタイツを穿くと、勃起してしまうのだ。
化学繊維の仄かな光沢が男性器の形を克明に浮かび上がらせる。
その卑猥な膨らみは、むしろ素っ裸よりも露出度を増すかのようだ。
禁断のVラインに昂ぶる日本の男どもを見て、外国人レスラーはその初々しさを微笑ましく感じたに違いない。
だが、時には意地悪したくなったのだろう。
テレビ中継がない試合では、外人レスラーのタイツいじりによって射精してしまう日本人レスラーが後を絶たなかったという話だ。
「イイネ、イイネ。ダイジョウブ、ダイジョウブ。
オトコハミンナソウナルネ。」
プロレスとは公開本番ショーである、ということを学びつつある日本プロレス界だった。
急所クローは現在でも充分インパクトのある技だと言えるが、当時の日本人たちにとってはあり得ない仰天技だったであろう。
男の証たる極部を攻撃することなど、武士道を重んずる日本の男にとっては発想すらできない破廉恥だった。
筋骨隆々の男によって、自身の男性器を弄られ握り潰された時、侍気質は異世界の存在をまざまざと知る。
禁断の快楽に悶え死ぬかのような感覚に浸りながら、プロレスラーという生き方を選択した己の正しさを痛感するのだ。
この無様で崇高な姿を公に見せつける特権を得ているのだから。
急所クローのもたらしたカルチャーショックは、後に劇画にも描かれている。
単なる荒くれ者の見世物だったプロレスが、エンターテイメントとして艶を放ちはじめる黎明期の記録として、大変貴重なものだと言えるだろう。
※全部嘘っす。
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この時代のプロレスって、今と違ってカッコイイ!とかキャッ!って女子が騒ぐモノでも無かったような〜無骨な男がパンイチで組んず解れつの様なシーンの連続で・・・。
好きでしたね、今よりもヤラレっぷりがよかった様な気がしますけれどね、昭和プロレスバンザイ!ってか?笑