野獣のパワフル過ぎる足が桜井の股間を文字通りエグる。
急所を破壊する荒々しい動きに加えて、人間業とは思えない細かな振動が、青いタイツのマッチョを昂らせる。
睾丸に近い肛門は振動を中心に伝え、前立腺の目覚めとともに雄が疼きだす。
微細な高速ヴァイブ運動は絶え間なく亀頭をタイツに擦りつけ、カウパーの分泌はもはや潮吹き並みだ。
そしてなによりも桜井を絶頂に誘うのは、金玉がまさに潰されんとする途轍もない恐怖だった。
グドーの酸素摂取のタイミングで、鹿威しのように立ち上がっては水面に叩き付けられる金玉ファイター桜井。
(だ、だめだ・・・・ここでイッてしまっては・・・・・俺はコイツの金玉奴隷になってしまう・・・・・)
一瞬でも気を抜けば夥しい量の精子がタイツを突き破って溢れ出すだろう。
そして精を吸い取られつくしたミイラのように、たちまち干からびてしまうに違いない。
薄れゆく意識の中、桜井は己とのあまりに過酷な闘いの渦中にいた。
と、視界の隅に現れる力強いクロール。
あれは幻覚か・・・・?
幻覚はすごいスピードで、だがスローモーションで桜井の横を通り過ぎていった。
「えーっ!!!?
救世主のはずの緒方、桜井を素通りしました!
まずは藤堂を助けようという作戦なのか!?」
「お客さんもどよめいていますね。
桜井も相当ヤバい状態だと思うのですが、緒方には藤堂の方が危ないという判断が働いたのでしょう。」
「確かにリング上の藤堂も虫の息ですね。
頑張れ藤堂!
もうすぐ助けがいくぞーっ!!!」
身体の仕組みを無視して反りかえされた藤堂の足はすでに感覚を失い、今度は右半身のマヒが始まっている。
このままでは足が折られる・・・・。
脳内を駆け巡っていた警報信号も今では弱々しく、代わりに勢力を増しているのはドックンドックンとアッチェレダンドする鼓動。
心臓がせっせと血液を送り込む先は、男根。
サンウの手刀はピンクの競パンごと藤堂の男道を掘り進み、稲妻のような快感波を雄の中心に発射し続けていた。
「ハツジョウブタヤロウ。オマエニサメジマクンはモッタイナイ。」
悪魔の指が高速でインアウトを始めた。
「おぅおおおお!」
藤堂の咆哮は断末魔の叫びか、はたまた昇天へのファンファーレなのか?
観客から丸見えのフル勃起男根は、ハイドロCD越しに血管さえ見えそうなほど透けている。
(うお・・・イッてしまう・・・射精したら俺は意識を失うだろう・・・・くそ・・・・)
ザーメンを一滴でも出したら最期、藤堂の身体は心ごとボキッと音を立てて折れるに違いない。
その後どうなる?
イ・サンウが鮫島と並んで笑っている光景が見える。
(鮫島・・・・・!?)
藤堂の意識が一瞬クリアになった。
(鮫島、サメジマ、さめじま・・・・・・・)
「アイヤーッ!」
サンウの奇声とともに放たれた手刀突きの一撃に藤堂は再び混濁に戻された。
(おぅあ・・・・・げ、限界・・・・だ・・・・・)
と、エプロンに両手を立てて、逞しい上半身が現れた。
たちまちリングインした男はエンジのスピードを穿いている。
リングに這いつくばる藤堂から、鍛え上げられたカーフが通り過ぎるのが見えた。
「な、なんと!
緒方、藤堂も素通りだー!
い、いったいどういう了見なのかーっ!
仲間を助けもせず、いや一瞥さえもくれず、進んでいきます。
これがかつて仲間のために命を張ったバズーカ緒方の姿でしょうか!?」
「全く解せませんね~。
彼は何のために水の間に現れたのか。
一体彼の目的は何なのでしょう?」
5メートル四方の閉ざされた空間。
天井の高さも5メートルくらいだろうか。
つまり各辺が5メートルの立方体の中で、黒と白の競泳パンツのみを身に着けた男二人が対峙していた。
床も壁もコンクリートが剥きだし。
室温が一定していることから一応空調があるのだろう。
だが、この異常なほどの湿気はなんなんだ。
黒い競パンの食い込みを直しながら、權田はもう片方の手で額の汗を拭った。
そうだ、ここはリングの真下。
コンクリートの壁の向こうは水で満たされている。
壁には所々水が染み出してきている。
長い時間の後には、ここは水没するだろう。
そう考えると権田は息苦しさを感じた。
ぴしゃっ
朝倉が白い競パンの食い込みを直す音だ。
濡れた極薄生地が、優れた収縮性を発揮して豊満なケツに張り付く。
「権田さん、悪く思わないでくれ。」
忍者のごとき俊敏さで朝倉がすり足で移動する。
次の瞬間、朝倉の身体は宙を舞い、0.5秒後には強烈な踵落しが権田の脳天に炸裂した。
「ごわっ・・・」
たまらず膝を折る権田。
ニーパッドを着けない剥きだしの半月板が、コンクリの床に激突する。
「くそ・・・・」
水中の隠された入り口からこの部屋に入って以来、權田は朝倉の打撃技に苦しめられ続けていた。
朝倉のファイトスタイルは以前とは全く違っていた。
かつては、大きくてしなやかな筋肉を相手に絡みつかせるような闘い方が得意だった朝倉。
必殺技の〝起承転ケツ〟はまさに肉地獄とでも言うべき究極の密着戦法だった。
だが、今の朝倉は相手と組み合おうともしない。
間合いを安定させないことで権田を攪乱し、ここぞという間合いに入るやいなや恐ろしいスピードでキックやパンチが繰り出される。
權田にとって非常に闘いづらい相手だった。
口元に生暖かさとしょっぱさを感じる。
鼻血だ。
今の踵落しの衝撃で鼻の中が切れたらしい。
鼻血を滴らせ片膝をつく黒ビキニの筋肉男に向かって、白ビキニの精悍野郎が憐みの眼を向ける。
「ここにはカメラは入っていない。
誰も見ていないんだ。
權田さん、もう俺に敗けたことにしてくれないか?
でないと本当に権田さんを倒さなければならなくなる。」
「な、なにをー・・・・
小僧が舐めた口をききやがって・・・・
いつからそんなに偉くなりやがった、え?この裏切り者が!」
朝倉の表情に一瞬影が差したかと思うと、目にも留まらぬ速さの回し蹴りが権田の顔面をジャストミートしていた。
勢いで壁際まで吹っ飛ぶ権田。
さっき直したばかりの競パンが、再び捲れ上がって男らしいケツに食い込む。
それに気を向ける余裕もなく、權田は血の混ざった反吐を吐く。
(歯が折れたか・・・・・?)
朝倉は這いつくばったままの権田の髪を掴むと無理矢理立ち上がらせた。
「うごぉっ!」
今度は膝蹴りが腹筋にのめり込んだ。
權田が飛ばした鮮血が白い競パンに滲んでいく。
腹を押さえて蹲ることしかできない権田。
「まだ漏らしていないみたいですね?
てっきり權田さんは失禁兄貴だと思ってたのに。」
屈辱で権田のこめかみに血管が浮く。
「お、おのれ・・・・・っ」
血と涎で見るも無残な顔を上げ、怒りで充血した両目で朝倉を睨む。
「そんな目で見たって駄目だ。
權田さんは知らない。
俺が味わった地獄を。
超絶快楽の蟻地獄にはまってしまった苦しみを。」
權田はハッとした。
朝倉の眼が一瞬昔に戻ったような気がしたのだ。
そんな感傷も0.3秒後には朝倉の膝が打ち砕いた。
「ぐふ・・・・・」
眉間のど真ん中に膝蹴りを食らった権田はゆっくりとコンクリの床に崩れていった。
「俺はもう元には戻れないんだ・・・・・」
朝倉はダウンする権田に馬乗りになると、静かに、かつ重々しく顔面を殴打し始めた。
見る間に腫れあがり変形していく権田の顔面。
權田の黒競パンの下に湯気を立てる水たまりが広がった。
失禁兄貴が決壊したのだ。
「すまない・・・・すまない・・・・・」
權田を殴り続ける朝倉の肩が小刻みに震える。
「殺す気か?」
信じられない声が背後から聞こえた。
振り向いた朝倉の眼に映ったのは、
エンジの競パンをハイレグ気味に穿いた彫像のような肉体。
「大輔・・・・・」
「しばらくだな。
・・・・・・・大悟。」
つづく
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読んでるだけで、モッコリもケツも昇天しそうです。