「コイツ、チョー弱えー!」
タッくんは言うんだ。
友達が集まってテレビのプロレスを見ていた時の話。
タッくんは白いパンツのロビンソンより黒い巨漢のベックがカッコいいと思ってるみたい。
ガキ大将のタッくんの意見に他のみんなもうなずいている。
もちろんボクも「ホントだね。ロビンソンやられまくってばっかだもんね。」
なんて言ったけど、ホントは違うことを考えていたんだ。
リングの外にはベックの仲間がいてしょっちゅう試合を妨害する。
だけどロビンソンはたった一人で闘っているんだ。
見た目もカッコいいお兄さんだし、なにより白いパンツが決まっているよ。
短いパンツはボクらが穿いているグンゼみたいに見えてちょっと違う。
チンチンを出すとこが無くてツルっとしているんだ。
そこがすっげー膨らんでて、それもカッコいいってボクは思う。
ベックたちにやられまくってて全然いいとこないのに、そんなロビンソンから目が離せないんだ。
でもタッくんやみんなはそうは思ってないみたい。
ボクはテレビでウルトラとかライダーを見てるから知ってるよ。
ピンチはあっても最後にはヒーローが勝つって。
だからやられているロビンソンもそろそろ逆転かなって思って、何故かちょっとガッカリしていたんだ。
ところがなんと、ロビンソンは試合に敗けちゃったんだ。
ボクはビックリしすぎて、歓声を上げるタッくんたちに合わせることができなくて、口をパクパクしていた。
悪が勝ったのに喜ぶなんて!?
だけど・・・そんな僕も心臓がバックンバックンいってて、なんだかコーフンしてるみたいなんだ。
それはきっとみんなとは違う理由じゃないかって、なんかわかった。
テレビではベックの仲間がリングに入ってきてロビンソンを痛めつけはじめた。
こんなことってある!?
ヒーローが負けた上にさらに悪者どもにやられるなんて・・・・!?
羽交い締めにされたロビンソンを見た時、ボクは息が苦しくなった。
こんなの見たくない!でも目が離せない・・・・・ロビンソン、カッコいい・・・・・・・
「ボ、ボク帰る!」
気が付くとボクは友達の家を飛び出して走っていた。
チンチンが痛い・・・・・どうして・・・・・・?
それから何年かたって、僕たちは中坊になっていた。
ある日体育の授業で使ったマットを数人の男子生徒で片づけていた時のこと。
「昨日のプロレス見たか?」
タクヤが言った。
見た見た!声が上がる。
日曜の昼の番組、僕も家族が外出中の家で見ていた。
アダムとビーの試合。
白いショートタイツのアダムがビーとその仲間にボコボコにやられるというスカッシュマッチだ。
しっかりVHSに録画してコレクションに加えてある。
「プロレスごっこしようぜ!」
柔道部に入っていたタクヤが体操着を脱ぎ捨てて逞しい上半身を露わにした。
「オレ、ビーな!」
急激にデカくなった筋肉を見せつけたくてしかたのないタクヤ。
そこにいたのは偶然にも4人。
昨日のアダムvsビー戦と数が合う。
僕以外の二人が早くもタクヤの側につく。
「いいよ、僕がアダムで。」
あくまで仕方がないな、というフリで、僕はアダム役を買って出た。
鼓動が早まるのが分かった。
「せっかくだし、本格的にやっちゃう?」
僕はおどけたふりで体操着のズボンを脱ぎ捨てた。
その下には、アリーナの競パン、白だ。
タクヤたちが一瞬息を吞むのがわかった。
(ヤバかったかな・・・・?)
「オマエ水泳部だからって普段から海パンかよ?
すげーマジだなー!」
普通に考えればあり得ない理屈を、タクヤたちは勝手に作り出して納得したようだった。
「よっしゃ!覚悟しろよ、アダム!」
3人のけだものが、僕に襲いかかった。
連中の拙いプロレス技もどきに、僕は全身を預けた。
マットの上に2人がかりで放り投げられ、そこに跳び箱から飛んだタクヤのボディープレス。
「ブレーーーンバスターー!」
技名を叫ぶタクヤは競パンのサイドをしっかり引っ張った。
ケツの左側が完全に出てしまっていることに気付いていたが、僕は敢えて直さなかった。
他の二人も上半身裸で、僕の身体にむしゃぶりついてくる。
いつしか体育用具室の扉は閉じられ、内側から閂が掛けられていた。
熱に浮かされたように、変声期の男どもが絡み合う。
アダムとビーの試合を再現するように、僕は羽交い締めにされる。
正面に立つタクヤがつぶやく。
「テツヤ・・・・ボッキしてるのか・・・・・」
一瞬合ったタクヤの眼は笑っていなかった。
「うおーっ!」
突如叫んだタクヤは僕を抱き寄せると、凄まじい力でベアハッグに締め上げた。
タクヤの逞しい筋肉が僕の身体に押し付けられる。
そして、ギンギンに硬くなったモノが競パンの膨らみに擦り付けられた。
「あうっ!」「グッ!」
二人はほぼ同時に射精したと思う。
そして若い獣たちは、狂ったように股間をこすり合わせ、揉みあった。
始業のチャイムが鳴った時、僕たちは石灰とザーメンの臭いにまみれて放心していた。
僕とタクヤのプロレスを介した関係はここから始まった・・・・・
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トラウマの元凶でも甘酸っぱい思い出
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だらしねぇな!ヤラレっぱなしだな!身体ばっかりでどうにも何んぇなあ!って罵声を浴びせてる父親の横で、小学生の俺は、頑張れ!負けるな!でもヤラレちまえ!ってややこしい事になって居た?笑。
晩飯を終えるや風呂場へ直行して、またもやそのシーンを思い出してややこしい事になっていた!笑
白のショートタイツ=正義のヒーローみたいで大好きだったな。